[運命]によって定められた死〜鬱ゲーマーである俺が異世界で無双〜ってそんなご都合主義あんの!?
第9話-異世界編[3]やっと、辺境の村に辿り着いた俺達だったが、村の奴らはやけに敵意を剥き出しにしてきて!?
第9話-異世界編[3]やっと、辺境の村に辿り着いた俺達だったが、村の奴らはやけに敵意を剥き出しにしてきて!?
異世界といえど、太陽の光は容赦なく人を照らし続ける。
そういった暑さは、現実世界と変わらないようだ。変わるとしたら死だけだろうか。
そんな猛暑の中、二人は辺境の村の前まで辿り着く。
「ひえー!マジクソ暑かったー!はぁ、はぁ」
そう言う潤は、息も絶え絶えで今にも倒れそうだ。
何故、食料品がない潤がこの村まで辿り着く事が出来たか。
答えは、簡単だ。彼の横でピンピンしている彼女のおかげであった。
「何だい?こんなんでへばってんのかい?せっかく私が食べ物や飲み物分けてあげたのに」
ゲルダの持ち物には、恐らく1週間以上生きられるであろう食料が常備してあった。
「あ?お前はこの世界に慣れてるからだろー。俺なんてほとんど家から出ないで、クーラー効いた所でニートやってたオタクだぞ?お前と一緒にすんなよな」
まだ、多田潤の息は落ちつかない。
「別に威張る事じゃ無いだろ?はぁダメだねー。あー情けない。それでも男かい?」
ゲルダは、見下したような目つきで潤を見る。
「うるせーなー。いいから入ろうぜ。このクソ田舎村に」
「はいはい。じゃあ、行こうか。勇者様?」
言葉からも、見下されてるとひしひしと感じる。
潤は、それに気づいてはいるがあえて指摘せず、村に足を踏み入れた。
瞬間
「 誰じゃ!ワシらの村に足を踏み入れる輩は!皆!出てきてくれ!怪しい奴らが村の入り口にいるぞ!鐘を鳴らせ!」
村長とおぼしき、その高齢のお爺さんが言った矢先、大音量の鐘の音が村中に鳴り響き、家中の人達が集まってきた。
ざっと見ても、20人以上は居そうだが、まあど田舎だからこれしか集まらないのだろう。
だが、潤達からすれば、十分脅威になり得る。20VS2であるからだ。
「 ちょっと!待ってくれって!俺達怪しくないから!普通の旅人だから!」
潤の言葉の後にこちらに言葉を投げかけたのは、20代後半くらいの若い男性だった。
「何が、普通だ!俺は知ってるぞ!見てみろ!お前の横にいる女を!俺はそいつから沢山金を盗まれたんだ!確かここいらを縄張りにしている盗賊ゲルダだろ!」
「そいつと一緒にいるって事は、お前も盗賊の仲間って意味なんだよ!分かったら、とっとと出てけ!盗賊野郎共!」
「そうじゃ!そうじゃ!ワシの息子もそいつに金を盗まれたんじゃ!弱そうで、金を持ってそうな奴に狙いを定めて、殺してから盗むと!」
「そんな盗賊と一緒に行動しているお主も同じようなもんじゃ!さあ!出ていっておくれ!さもないと、ワシ達村人が一斉にお主達を成敗するぞい!」
小柄なお爺さんが、そう言うと村人が一斉に槍やクワなどを持ち出し、潤達に向けてきた。
「やべーな!これは説得無理っぽいわ!一旦出たほうがいいな!な?ゲルダ?」
「まあ、仕方ないね。一旦出るか」
そう言うと、二人は辺境の村を後にした。
「早く出てけー!盗賊一味!盗賊一味!」
村人が一斉に大声で二人を追い出した。
「何なんだよ!あいつら!お前、めっちゃ恨まれてんじゃん!マジでこの村の人々から金盗んでたのか?それとも今もやってんの?」
ゲルダは、こう答える。
「この村の人々から、金目の物を盗んでたのは、本当さ。生きる為に仕方無くね」
「そんなに恨まれてるなら、先に言ってくれよな!めっちゃ怖かったわ!」
潤は、心底安心したような口調で言う。
「もしかしたら、アンタと一緒なら村人も許してくれるかもっていう考えだったんだけど、甘かったね。ごめんよ」
いつにもなく、素直なゲルダに、驚いた潤であった。
「まあ、いいや!じゃあ、他の街に向かうか!近くに街はあんの?」
「そうだね。少し行った所に、ノームの町という町があるよ。そこは敵意を向けては来ないと思う。私が狙った村はここだけだから」
そうゲルダは、潤に話した。
「そっか。先に聞いておくけど、この先、俺と行動する上で、盗みとかはやめてくれよ。人からは。盗むならモンスターとかにすればいいじゃん?まあ、この世界でモンスターに盗むっていう技が通用するかしらんけど」
「モンスター?技?何を言っているんだ?」
「本当に居るんだって!お前と戦う前に、水色のスライム?みたいな奴と戦ったもん」
こいつは何を言っているんだ?と言ったような目でゲルダは潤を見る。
「まあ、いい!それはお前と行動すれば分かる事だ。確か、お前は勇者とかいってたな?何が目的なんだ?まさか、魔王討伐とか言わないだろうな?」
「その通り!まだ新米勇者だけど、どんどんLevel上げて魔王討伐を果たすのが目的!」
それを聞いた、ゲルダは鼻で笑った。
「本気で言っているのか?冗談ではなく?何故そういった経緯に至った?」
「ちょっと、それは言えないんだ。悪いな」
「ふん。まあいい深くは聞かない。別にお前の素性には興味がないからな。ただ魔王討伐というのは少し面白そうだな」
「だろ!じゃあ、魔王討伐まで付いてきてくれるよな?」
「まあ、多少は暇つぶしにはなるからな。付いてくとしよう」
そう言うと、ゲルダと多田潤はノームの町へと歩を進めた。
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