美女倶楽部

@nanahiro0718

第1話美女になる粘液

とある土地には「美女木」なる地名があり、かつて美女がなる木があったとか無かったとか?。


いつの時代も男は身勝手な生き物であり、欲望の塊でもある。特に「女と金」には執着するものである。


この物語は独りの冴えない男の欲望のお話。

好き勝手にできる女が居れば…。それも美女で!。そんな贅沢が実現すればどんなに楽しい人生であろうか…。


タカシ35歳、独身男性。

身長175センチ 体重78キロ。

情報処理系の専門学校を卒業し、システムエンジニアとして変哲もない毎日を過ごしている。


過去に付き合った女性は幾人か居るも長続きせず、今付き合っている女性はユキ28歳、食品スーパーでパートをしており特段美人でも無いごく普通の女性だ。


マッチングアプリで意気投合し付き合う事になった相手で、それなりに好き合っていた。

しかし2ヶ月前にセックスをしてからというもの、互いの性癖に何かしらのズレがある事に気付き、それ以来若干ギクシャクした関係になってしまった。


「人間だもの!趣味や性格、それに性癖だってそれぞれに個性があるでしょうよ。理想通りの個体なんて存在しない。」


タカシ:「あ…ぁ…。理想的な女が居ればなぁ…。それも美女で…」。


タカシは心の中で呟くつもりが小声でため息の様に呟いてしまい、それを間近にいたユキに聴かれる。


ユキ:「何よ!。付き合ってる相手が居るだけでも贅沢なのに、他に美女と付き合いたい?。ふざけんなよ!帰るっ!!」


と言い捨ててユキは俺のアパートを出ていってしまった。


タカシ:「あぁ…しまった…。またやってしまった…。」


最近疲れているのか?心の呟きが自らも気付かぬ内に口から漏れだしている時がある。


確かに付き合ってる彼女が居る立場なのに贅沢な悩みだ。ましてやユキの立場を考えない身勝手な発言だった。

この手の発言は一度や二度では無い。


何度も聴いているユキにしたら「またか!」という心情だろう。


なあに、ユキも付き合ってる相手が居る事自体が贅沢な事さ。特段美女でも無い普通の変哲もない女だからな。


数日経てば気も晴れて戻ってくるさ♪


タカシは楽観的な性格だ。

そして何気ない日常において、自らの行動をすぐに記憶から消去するのも得意だ。


タカシ:「さあて、美女は居ないが自由な時間は増えた♪。ちょっくら峠へ走りにでも行くかね。」


タカシの趣味は排気量1000ccを越える大型バイクである。

スピードには興味無く、日帰りで行ける温泉や峠道のワインディングロードを走るのが趣味としている。


しかしユキを後ろにタンデムした事は無い。

何か理由がある訳でも無く、ただ何となくだ。


………美女だったら乗せてるかなぁ~♪


肩パッドと脊椎パッドの入った赤色のジャケットを身に纏い、ライダーへと変貌したタカシは黒いフルフェイスヘルメットを右手に持ち部屋を出る。


ふとアパートの集合郵便受けに目をやると何か小包が届いている。


差出人の住所は無く、ただ【未来百貨店】としか書いていない。

その良く分からない小包を手に取り俺は再び部屋へ戻った。




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