長編スーパーサポーター
霞千人(かすみ せんと)
第1章 サポーターのコータ編
第1話 勇者パーティーに組み込まれる
僕はコータ、15歳。成人の日に村の教会で、神様から授かるギフトを鑑定してもらった時に【勇者パーティーのサポーター】と言われた。何のことかわからなかったが数日後に王都に連れていかれて無理矢理魔王討伐の為に結成された【勇者パーティー】に組み込まれてしまった。勇者はこの国の第2王子のダーテ様、剣聖の侯爵家の長男のハリー様、聖女の公爵家のマリア様、魔法使いの伯爵家のチェリー様。
平民の僕以外皆、王族、貴族様だ。しかも僕が1番年下。この先苦労の連続確定だ。
それにしてもサポーターって一体何をすればよいのだろうか?
宰相様という偉い人にマジックバッグという魔法の革袋を渡されて
「この中にテントや寝具、料理道具などが入っている。これを持ってみんなの後を付いていけ。後はダーテ様やハリー様等々皆様の命令に従って荷物を出し入れするんだ」
つまり荷物持ちとしてついていけばいいんだ。僕は戦えないし、皆の邪魔をしなければいいんだな。と簡単に考えてしまった。
パーティーの実力を確認してお互いの結束を高めるためにダンジョンで特訓修行する事になった。
僕は不安だった。偉い人の考え方が判らないし僕は戦えない。
オドオドビクビクしながら皆様の後を付いて行く。
マジックバッグの荷物の出し入れは僕にしか出来ない仕様になっているのだそうで実際に僕しか出し入れ出来なかった。
なので僕が死んでしまえば大切な荷物を使えなくなってしまう。だから僕も戦闘訓練を受けた。
案外僕にも戦闘のスキルが有ったようでホーンウルフくらいまでなら苦労せずに倒せるようになっていた。僕を鍛えてくれたお師匠様は
「コータよ、この程度の腕では皆様には全然適わないぞ。でしゃばるな、皆様より目立つようなことはするな。お貴族様の心証を悪くしないように生きていけ。それが平民のお主が穏やかに生きていける秘訣だ。努々皆様に逆らうようなことをしてはならぬ」
と、口を酸っぱくして言われていた。
初ダンジョンに行く日、見送りに来てくださったお師匠様から僕にぴったり合う剣を頂いた。細身のレイピアで見た目より軽かった。切れ味抜群で何時間振り続けても疲れなかった。
僕には僕だけにしか見れないステータス画面を出すことが出来た。
それを見るとサポーターに必要だと思われるスキルを多数所有していた。
テントの設置術
料理術
鑑定術
家庭魔法術
攻撃反射付き防御結界設置
罠感知、罠解除
支援魔法術(スキル付与可能)
護身術(神級)
経験による新スキル取得
時空間魔法による時間停止付き容量∞亜空間収納術(遠距離自動収納可能)他のバッグやボックスにも付与可能
更に何の事か解からないが【HPMP∞】という表記もあった。
ダンジョンに入った。最初の階層はスライムとかホーンラビットとかの弱い魔物だけしか出てこなかった。
「おいコータ。お前は自分の身は自分で守れいいな!」
「はい」
勇者様達の戦闘は派手で高威力だった。
ホーンラビット1匹討伐するのに【ワイバーンスラッシュ】とか【中級魔法】の【爆裂魔法】を放っていた。あれでは直ぐに疲れてしまいそうだ。魔力も尽きてしまいそうだが、お師匠様に教わった通り余計な口出しはしなかった。
予想通りダーテ様、ハリー様はすぐに疲労困憊になっていた。
「わたくしが回復魔法をお掛け致しましょうか?」
聖女のマリア様がお伺いをたてる。
「おお、頼む」ダーテ様が答える。
マリア様がお二人に同時に回復魔法を掛ける。マリア様のお身体が白く輝いて神々しい。
「マリアありがとう。すっかり疲れが取れた。流石だな」
「マリア嬢助かりました」
その間に僕は後方や横から現れる弱い魔物をサクサク討伐していった。ドロップ品は皆さんの分と区別する為に僕の亜空間収納庫に自動収納しておく。
『【魔物察知スキル】を取得しました』
と新スキルを手に入れたことを知って隠れている魔物や視界に居ない魔物も【魔法転送】で屠ってドロップ品を自動収納していった。初めは100m以内のものしか収納出来なかったが今は1㎞離れた所からも収納出来るようになっていた。」
「おいコータ、ドロップ品をマジックバッグに入れて置け」
「はい。承知しました」
僕は手際良くパーティー専用のマジックバッグに収納していった。
お二人が討伐した魔物と僕が倒した分が同じ位だったのは内緒にしておこう。魔法使いのチェリー様はスライムの群れに爆裂魔法を放って魔力切れになっていた。。
「次からはもっと弱い魔法で充分ね」反省していた。彼女も今日が初戦闘なのだ。
これから戦い方を学んでいくのだ。
第2階層への階段が見つかった。
僕は歩きながら鑑定していって有用な薬草などを採取収納していった。
初日の訓練は早目に終わって安全地帯にテントを張って今夜はそこで過ごすことになった。
スキルのお陰かテント設置はスムーズに出来た。
2人用テントを3張り。ダーテ様とハリー様が1つづつ使ってマリア様とチェリー様とで1張使う。僕は焚火を消さないように寝ずの番をしないといけないのでテントは使えない。なあに自分の身体に防御結界を張って結界内を適温に保てば良いだけの話だ。
どういう訳か僕はちっとも疲れないし魔力切れも起こさない【HPMP∞】のお陰なのだろうか?帰ったらお師匠様に訊いてみよう。
ステータス画面に書かれている項目を試しているうちにもう何年も使っていたかのように自由自在に使いこなせるようになっていた。
王族や貴族様が料理出来るわけもなく、当然料理番は僕の仕事になった。
肉はホーンラビットの肉が有るが野菜が少ない。渡されたマジックバッグには時間停止機能が付いていない。長く保存できないのだ。採取した薬草の中に野菜代わりになる植物が無いか鑑定してみるがあまり無い。
僕はそのことを皆さんに伝えた。
「それでお願いが有るのですが、僕が討伐した魔物の素材を街で売って野菜や調味料を買いたいと思うのですが如何でしょうか?」
「良いだろう。だが町に行く時はマジックバッグは置いて行け」
勇者パーティーの分を売られてはたまらないと思ったのだろう。
「はい判りました。では明朝、朝食を作ってから行ってきたいと思います」
何とか、この先やっていけそうな自信がついたな。
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