第4話 冒険者ギルドにて(後編)
ナイフと針とカードっぽいなにか……コレは一体……?
「冒険者用ギルドカードに貴方の情報……血を読み込ませることで冒険者ギルドの一員として世界の冒険者ギルドにて使えるカードになります。血を使わない登録方法もいくつかありますが、何れも支部毎に随時登録が必要ですしカードの持つ機能が大幅制限されて冒険者ギルドからの庇護も大幅に損なわれるのでおすすめできません。あとは登録に時間と追加料金が発生しますが……」
「血で」
おそらく血での登録は何らかの力で情報を半リアルタイムで収集する機能があるのだろう。
しかしここで渋ったりして時間かけたりするのは望ましくない……気がする。
ナイフで恐る恐る指に切れ込みを入れて垂れてきた血をカードに当てると、カードがほのかに光り、冒険者ギルド所属と言う表記とオレの名前とFランクが表情された。
「はい、登録は以上です」
「そう言えば登録料金とかは……?」
登録料請求されると思ってたのに終わりと聞いて首を傾げる。
「血で登録した場合は初回の依頼で天引きされ、基本支払い完了されます。足りない場合等は依頼報酬から差し引かれます。血の登録が無いと他支部でランク共有されないのでそういう意味でもおすすめできませんね。――すでに持ってるギルドカードとは別名義やらざるを得ない等の訳ありの人もいなくはないので、その辺りはお互いノータッチになりますが」
つまり血で登録しないやつは【金払ってでも怪我したくない】か【その支部の地域に永住予定】か【何らかの訳あり】ってことか……。
一番最初は冒険者向いてなさそう。
「あと、血で登録されてると、ギルドカードの裏面にキョウスケ様の能力や状態、一部スキル等が表示されます。カードに触れて念じればギルドの支部長クラスの開示請求を除き他の人からは非表示も可能です」
裏面をみる
キョウスケ 27(男・ヒュムノ)
ジョブ なし
レベル 1
HP 90/90
MP 5e+546/5e+546
STR 10
VIT 23
DEF 16
INT 610
RES 50
DEX 14
AGI 13
LUK 64
技能
契約神(双子)の加護(鑑定、自動翻訳等、魔力容量極大増加)
筋力を表示する系のステータスかぁ……技能欄の内容が人に見られたらまずい系では?
「レベル1のヒュムノの男性ですとHP、MP、幸運以外は15あると高い方になりますね」
よし明らかに数値バグってるMPにINT、RESは適当に数値誤魔化して技能はなしにしておこう(決意)。
それはさておき。
「今俺が受けられる依頼ってあります?」
「Fランクは常駐依頼――近隣の森で薬草の採集、下水道の魔獣退治、商業クランや領主様から発行される日雇いになります。――おっと、もう少ししたら冒険者ギルドに正規手順で登録された人が初回だけ受けられる【初心者用冒険者講座】がありますが」
……冒険者講座は受けろと暗に言ってるなコレ。
「では初心者用冒険者講座を受注します」
「かしこまりました! ――ココだけの話、冒険者は新人と封域入れるようになるCランクがなんだかんだで死傷率高いんですけど、共通して事前準備や先輩からの助言ガン無視が大体の原因なんですよね。キョウスケさんは長く冒険者続けられると思いますよ!」
うーん、新人講座とかを強制にすればいいような……いや、情報は提示するがやるかどうかは冒険者側次第、そこまで世話してやる義理はないってことか。
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