なにやらヤバい目をした自作ヒロインたちが追いかけ回してくるんだが?

つかとばゐ

第1章 非日常編

第1話 私ですよっ?私。

「はぁっ...!....はぁっ!」


「■■■□□□□■■□□□!!」


「うるさいなぁ!」


冒険者ドール君は目の前の魔物に剣を突き刺す。


「よしっ!倒したな。にしても......ここは暗いから、明かりがないとキツいな......」


「う、え、あっ......た、たすけてください。」


⋯⋯ん?


「だ、大丈夫か?君。」


**********


───よしよし。いい感じに書けそうだな。


俺の名前は日熨斗宮ひのしみやかえで。高校生で、小説を趣味で書いている者だ。

俺は、今の今まで現代恋愛を書いていた。


「にしても、ほんっと、変わっちまったよな。」


ある日、この世界に魔物やダンジョンといったもの

が出現した。

そして、極わずかの人々にスキルというものが発現した。


「小説はこれくらいにして、寝るとするかっ!.......あっ。」


小説を書いているノートを仕舞おうとしたところ、手が滑って落としてしまった。


「よい.....っしょ。」


俺は素早くノートを拾って、開いてしまったページを振り払い、仕舞った。


そして、俺は電気を消して布団へ潜る。

⋯⋯眠れない。


「やっぱり、小説を書いた後って眠れないな...........うしっ!眠気が来るまで書くか。」


俺は、小説を書くために布団から出ようとする......その時だった。


「っ?!」


───ゴンッという物音がした。


「な、なんだ?」


⋯⋯気のせいか?いやそうに違いない。そうに違いない。


「っっっ?!」


───足音が聞こえる。俺は一人暮らしなのに。

...幽霊か?空き巣か? ....どっちにしたってやばい。


だんだんと俺に近付いてくる。

───いきなり音が止んだ。


「はぁ...はぁ♡」


何やら興奮しているような息遣いが聞こえる.........


「ふ、ふっふふ♡」


やばいやばいやばい。笑ってるしこれ扉の前に居るやつだ、めっちゃやばいじゃねぇか!!!


キィーと音を立てて扉が開かれていく。


「リグ様ぁ!そこに居たのですねぇ?!」


⋯⋯え?

なんでその名を.......ってか


「もしかして.....アリア?」


「そうですよぉ〜アリアですよぉ?」


俺の作品のキャラがなんで俺の目の前に.....???


「.......なんでアリアがここに居るんだ???」


「なんでって言われましてもぉ、愛の力ってやつですよぉ♡」


「.......」


「冗談ってやつですよぉ、冗談。実は私も分からなくてですねぇ、気付いたらここに居たんです!」


⋯⋯どういうことだ?


「てか、よく俺がリグだって分かったな。」


「当然に決まってるじゃないですかぁ。だって、私を作って愛してくれたのは他でもないリグ様じゃないですかぁ♡」


⋯⋯アリアって、こんなキャラだったか?


「そうそう、本当の名前は日熨斗宮 楓様ってことも分かってますよぉ?ただ、せっかく私のために舞台を用意してくれたのですし、と同じようにリグ様とお呼びしているんです。」


「.....あ、あの頃って?」


「好きでもない、作られたリグあの野郎とパーティだったころですよ。」


「なっ....?!」


「私は嫌でしたよぉ?物語通りに進んでいって、身体が強制されていくのがぁ。」


そこでアリアは、「ただ...」と言って言葉を溜めた。


「リグ様が書いていると思うとゾクゾクしましたぁ♡」


───アリアは、やばいやつかもしれない。


───────────────────────


◆◆◆お礼・お願い◆◆◆


ここまで読んで戴きありがとうございました!


もし良ければ、別作品の「子猫を拾ったら死にました。」もぜひ見ていただけると嬉しいです!


https://kakuyomu.jp/works/822139836531403073

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