娘はドーナツを食べたガール
子どもたちの「やったー!」という声が、玄関まで響いてきた。 その理由は、箱の中にある、あのふわふわで甘い丸いものだった。
ーーー
妻がドーナツを買ってきた。 チョコ、ストロベリー、シュガーにオールドファッション。 娘たちは袋をのぞき込んで、
「やったー、ドーナツだ!」と声を上げた。
どれにしようか、あれこれ悩みながら、一つずつ手に取っておやつにする。
「残りは明日の朝食べようね」と妻が言うと、
「わかったー」と素直にうなずく娘たち。
その夜、僕が帰宅すると、テーブルの上にドーナツが残っていた。 けれど、さすがに夜に甘いものを食べる気にはなれず、
「明日の朝の楽しみにしておこう」と、そっと箱を閉じた。
翌朝。 いつものように娘たちを起こしに行くと、まだ布団の中でぬくぬくしている。
「さぁ、ドーナツを食べるかな、どれにしようかな」と僕がつぶやくと、 その瞬間、娘が飛び起きた。
「ドーナツ!」
ものすごい勢いでリビングへ駆けていき、箱を開けて吟味を始める。
「着替えないと食べられないよ」と声をかけると、
「わかったー!」と即座に服を着替え始めた。
気づけば、いつもより10分以上早く、学校へ行く準備が整っていた。
「いってきまーす!」と元気に出かけていく背中を見送りながら、
「これ、毎日ドーナツにしたほうがいいのかな」と僕がつぶやくと、
妻が笑って言った。
「慣れたら元に戻るよ。」
なるほど、魔法は毎日かけてしまうと、魔法じゃなくなるのかもしれない。 ドーナツは、たまに現れるからこそ、子どもたちの心をふわっと浮かせる。
魔法の食べ物は、日常の中にそっと忍ばせておくくらいが、ちょうどいいのかもしれない。
ーーー
ドーナツの魔法、あなたの朝にも届きますように。 共感していただけたら「♡」「☆」で教えてくださいね。
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