第29話 君、ちょっといいかな?

「と、いうことで受けてください、試験を」

「いや、どういう事ですか」

「政府からの要請、剣姫の推薦状、その他B級探索者の嘆願多数が届いております」

「は、はぁ....」

「その上で、過去3回の試験の結果を鑑みまして、今年ならば合格するだろうと"ギルド"は判断しました」

「過去3回とも落ちたんですよ?」

「いえ、その3回とも、"わざと"棄権したのが確認されています」

「え、どうしてそれを...」

「1回目は体調不良からの棄権、2回目は魔力切れによる棄権、3回目は魔物との相打ちで重傷を負ったので棄権。このどれもが、自演だと判明いたしました」

「どこで漏れたんだぁぁぁ?!」

「いえ、その場の隠しカメラと、試験官の証言ですね」

「え’’...」

「1回目は自分で下剤、2回目は限界まで魔力放出、3回目は自身が契約している悪魔と戯れておった傷を元に酷く見えるようにした」

「アッアッアッ..」

「それでは、S級探索試験、受けてください」

「はい、うけまs...???」

「それでは、承認していただけたので、早速会場に移りますね」

「え...?」

「では、こちらへ、お願いします」

「え」

「それでは、頑張ってくださいませ」

「え」


「えぇぇぇぇぇっぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!??!」


ーーーーーーー

S級試験

合格条件

・悪魔との契約

・S級探索者との決闘(3ラウンド)

・新宿ダンジョン60階層突破、もしくは相当する他ダンジョンの突破

・ダンジョン踏破経験あり

※試験中は、公平を期すためにギルド限定配信として乗ります。合格後、宣伝用PVとして利用させていただきます。

ーーーーーーー


「どぉぉぉしてだよぉぉぉぉ!!!」

「そんな叫ぶことじゃないでしょ」

「....そんなこったろうと思ったよ!!」

目の前にいる狂戦士に強く当たる。

コイツが間違いなく仕向けた。

そうじゃないと、今の今まで放置されてた俺がいきなり政府に命令される訳ない。

「いやぁね〜、いつまでもB級探索者だと困る事があるんだよ」

「俺は全く困ってないんだけど?」

「私が困るの!」

「全然理由になってねぇ!!てかそれどうせ武器を送ろうとするだけだろ!」

「この間もかっこいい刀見つけたから!どう!?」

「くぅ...それは惹かれるけども!でも無理だぞ!Sランクに勝てるほどの実力はない!」

それに、Sランクの中でもトップの玲奈に勝てるわけが無い。

『盟友』は、この間合格したばっかりなので、試験には呼べない。

ここは、ある程度勝てる相手で、なおかつ知り合いの...

「条件がある。3ラウンドバトルは別の人とさせて欲しい」

「え〜!私相手に勝ってこそじゃない?」

「誰もS級上がれねぇよ!!!」

「えへへ〜その通り〜」

こんな狂戦士相手にして喜ぶのなんて、頭のおかしい奴か、ド変態マゾの間違いだと思う。

そんな地獄は絶対に避けたい。

なので、"勝てそうな知り合い"を呼び出す。

「じゃあ、代わりに...」

その後の剣姫の表情といったらもう...悪魔すら震え上がらせる形相だった。

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