おじさん、悪魔っ娘を拾う
南無三
第1話
「はぁ……」
ため息をひとつ吐き、帰路へと足を進める。三十八歳、会社員、バツイチ。特にこれと言った特技もない。夢もない。
(俺みたいなのが孤独死すんのかなぁ……)
なんて、とぼんやり考えていると、カシャン、という音がして、足元を見る。どうやらプライベート用の携帯を落としたようだ。
「やべ、傷とか入ってねぇだろうなぁ……?」
すっと拾う。画面には少しヒビが入っている。
「うわ……あー……」
別に、なにか支障がある訳では無いが、嫌な傷の付き方だ。どうにかする方法あっかなと肩を落として、目の前を見る。さっきまで無かったダンボールがぽつん、と置いてあった。
「な、なに?」
俺は、恐る恐る近づいて、ダンボールを見る。拾ってください、と書かれているそれには、角と羽の生えた少女がちょこんとおさまっていた。
「いや、倫理観ーーー!! てかファンタジー!!」
俺は、思わず叫ぶ。虐待だの言われているこの令和に子供を捨てる親が果たしているか。いや、そもそもファンタジーとか異世界物みたいな見た目の女の子じゃないか! 突っ込みどころ多すぎてエムワンのステージかと思ったわ!
「き、君、お、お母さんは……」
「オウジサマ!」
少女は、俺を指さし、真っ直ぐ言う。俺は、二、三度、瞬きをする。
「お、オウジサマ……!?」
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