第9話 ジムバッグ? マジックバッグ?
バトル領域を広げることで壁の向こうから監視している者の体力と魔力を全吸収できたオレは、残りの2人からも同じように体力と魔力を全吸収した。
『バトルモード勝者特典があります。20ポイントを獲得しました』
よっしゃぁ〜! ポイントゲットしたぜぇ〜!
これで累積で40ポイントだ。
レベルが上がるまでにあと6人倒せばいいな。
監視者を倒せたのはいいが、壁に空いている穴が気になるからふさいじゃうか。
ジムバッグから仕事用の文房具が入っているポーチを取り出して、入れてあるスティック
スティック
穴のあたりを水性フェルトペンで黒く塗っておいたから、覗き込んでも見えないだろうし、細い針で穴を開けたら目立つからすぐにわかるだろうね。
反対側の壁にも◎スト◎ットを貼ったが、さて天丼の穴をどうするか?
メニュー画面に初級の風魔法があったよな。
風魔法をポチッとすると、そよ風・温風・冷風・浮遊・飛行・
風魔法の練習をしていけば、灰色が黒字に変わるようだから楽しみだな。
浮遊で身体を浮かせることができるかなと思って『天丼まで浮け!』と強くイメージしたが、ほんのちょっと身体が浮いただけだ。
これじゃダメなんだが、ちょっと身体が浮いたことは嬉しいね。
この部屋の中で練習をしていけば、いつかはフワリと浮かぶことができそうだな。
魔法って夢があるね。
思いついて、まずポス◎イッ◎を黒く塗ってから、裏面に
イメージしたとおりに、フワフワと浮いたから、そのまま天丼の穴まで浮かせて張り付かせた。
なんとなくちゃんと張り付いたようだ。
あのポ◎トイットに直接触れるように浮遊の練習をすればモチベーションを
どうやらドアにも穴が空いていて、廊下から監視している者がいるな。
ポイントいただきますよ!
体力と魔力を全吸収すると、膝から崩れ落ちるように倒れ込んだ。
ポイントゲットのアナウンスを聞いていると、ドタドタと廊下を走ってくる音がする。
廊下は他の誰かと警備していたのだろう。声をかけているようだし、追加で走ってくる者もいるな。
う〜ん、連続でポイントをゲットしてもいいんだが様子をみるか。
廊下にいる連中は放置して、◎ストイットを覗き穴にペタッと貼り付けておくだけにした。
ドアと反対側に窓があるが、はめ殺しで開けられない。
地上からは30㍍くらいの高さにオレがいる部屋はあるようだ。
広い庭園が見えて、観賞用の低木や花園があり、その先には畑があるな。
ふ~っ、しばらくはこの眺めを楽しむしかない。
ジムバッグを開けて、飲みかけだったポ◎リを探したが無い。
んっ? おかしいな。
この世界に来た時に入っていたポカ◎を飲んで、キャップをはめて入れておいたのに……。
キャップを開けていない◎カリが3本とダイエッ◎コークが2本あるぞ?
おかしいな……。
デモンスとクルニーが飲んだ空のペットボトルが無くて、キャップを開けていないポカ◎があるって……、どういうこと?
ベッドにジムバッグの中身を出して確認していった。
着替え用の下着やTシャツも新品だ、プールに入ってエアロビクスの授業を受けたから濡れていた海パンにバスタオルも乾いていて新品になっている。
ジャージも、スポーツタオルも、靴下も新品だよ。
仕事用の資料はそのままだ。
文房具を入れていたポーチからボールペンを出して、インクの残量を見ると……、新品だよ。
なんじゃコリャ?
ジムバッグを空にしたが、見た目よりも容量が増えてる。
なんとなくジムバッグに手を入れたままでメニュー画面を見ると赤い点滅がある。
ポチッとすると『マジックバッグ:縦横高さ10㍍の立方体が収容可能、時間停止30日、異世界から持ち込んだ物品は復旧可能、コバヤシ・カズオ専用』と表示された。
容量と時間停止は魔力が増えれば、拡張されるようだ。
ほぇ〜、マジックバッグなんて便利なものがあるんだぁ〜。
やっぱり、魔法のある世界には夢があるねぇ〜。
仕事用の資料がそのまま残っているのは不思議だし、理由はよくわからないが、そういうものなんだな。
そうだ! 中古品の日本手ぬぐいも新品に変わってるのかな?
広げて見ると、うんうん新品になってる。
藤の花やツバキにバラをモチーフにした和柄の日本手ぬぐいは色鮮やかだ。
いい
誰かがドアをノックした。
マジックバッグに取り出したものを放り込んでから、「は~い」と返事をした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます