第3話【最強チーム・ティターン初陣!】

夜が白み始めた明け方。

突如、空を切り裂く轟音がティターンの首都を震わせた。


「敵襲だぁぁぁーー!!」


北方より飛来したのは、オリュンポス十二神将直属の急襲部隊。

銀白に輝く空戦ロボット兵が編隊を組み、機銃掃射と爆弾投下で街を火の海に変えていく。


「バリア出力、限界を超えています!!」


「都市防衛バリアが……悲鳴を上げてる……!」


街を覆う光のドームが唸りを上げ、無数の弾丸と爆撃の衝撃でひび割れを広げていく。

人々の悲鳴がこだまする中――

王城の広場に召喚された 最強チーム・ティターン が、今まさに立ち上がろうとしていた。


「ふぁ〜ぁ……朝はえ〜よ」

髪をぐしゃぐしゃにしたまま、寝ぼけ顔で部屋から出てきたクロノスが大きな欠伸をする。


その直後、廊下をバタバタと駆けてくる二人の少女。


レアが息を弾ませながら叫ぶ。

「なになに!? 敵? ねぇクロノス、ボクやっていいの!?」


ティアは冷静に窓の外へ視線を向ける。

「……ざっと百機。空挺型の量産機ですね。そして……あの馬型のロボットに乗る機体、あれが指揮官です」


外からは爆音と轟撃。都市防衛バリアが悲鳴を上げている。


宰相が蒼白な顔で飛び込んできた。

「あ、あれはオリュンポス十二神将直属の急襲部隊……! 我がティターン国が滅ぶ……!」


しかしクロノスはニヤリと笑い、大きく手を振り上げた。


「おう! 俺らの初陣だ! ド派手に迎え撃とうぜ!」


そう言うやいなや、クロノスは駆け出し、巨大な漆黒の機体――クロノスへと飛び乗る。

「行くぞ、ティターン姉妹!」


プロメテウスはすでに巨大な大斧を握りしめ、その巨体をゆっくりと動かし始めていた。

レアはその肩口に駆け寄り、跳躍してコックピットへ飛び込む。

「よーし! 暴れまくってやる!」


一方、エピメテウスは両腕で大杖を掲げ、静かに構えを取る。

ティアが軽やかに機体の胸部へ飛び込み、操縦桿に手を添えた。

「クロノス様、火力支援は万全です」


広場に並び立つ三機の巨人。

クロノス機の大鎌が唸りを上げ、プロメテウスの大斧が地面を叩き、エピメテウスの大杖からは重力波が揺らぎ始める。

――最強チーム・ティターン、異世界での初戦が幕を開けた。

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