青木ヶ原樹海連続強盗殺人死体損壊遺棄事件
ねこやろー(ねっこねこ)
警察
◇◇
――2031年7月27日(日)――
PCでDLsiteを立ち上げ、マウスを左手に持ち替え…。
そんな暇があるわけもなく、被害者のSNSアカウントを調べ続けるサイバー犯罪対策課に勤めている俺。
何にも使えないゴミは、パソコンだけはできた。半分押し込められるようにここに突っ込まれ、大体、俺の親が警視総監のせいでやりたくもない警察にコネでなったんだ。当然俺はお荷物である。
殺害されたのは
脳波制御式可動義肢「エレキギア」を実用化した開発チームの第一人者だ。
というか被害者はSNSをほぼ使用してないからこんな捜査に意味はない。
そんなわけで捜査に身が入るわけでもなく。
ただいまの時刻は深夜3時である。
幽霊でも出てきそうな時刻。俺にとって出てきてほしいのは犯人である。
―――2031年8月10日(日)―――
この日、日本に激震が走った。
富士山。その麓の青木ヶ原樹海でバラバラ遺体が3体見つかった。
その3人はエレキギアを開発した開発チームの関係者であり、強盗に遭い行方不明となっていた人々。強盗殺人が同時に3件発生したことになる。
この事態に青木警視総監は謝罪した。
父がテレビで頭を下げている。
一方俺はSNSの捜査は空振りに終わりボーっとテレビで父の謝罪を見ている。
暇なので被害者の一人の葬儀に参列することにした。父が父なのでフットワークは軽いほうだ。
葬式の饅頭うまいんだよなぁ。
葬儀は、被害者の一人、
被害者3人の中で、唯一の女性、そして、強盗の被害金額が最も少ない。
棺のそばでは、無表情の哲と、その娘、
彼女は凄い。
体育などの運動ができない中、父親譲りの頭の良さ、そして機械工学への深い理解を持っていて、開発チームに少し参加したりもしていた。
坊さんが念仏を唱える。聞き覚えがある気がする。
葬儀も終わり、帰ろうとしたところ、視界の端に人影が写った。
物陰から見ると岬哲のようだ。若い女性ととても親しげに…。
そこからの俺の行動は素早く、すぐに岬哲のSNS、そして裏垢を調べると…不倫していた。
岬哲は金にがめつく、あまり評価も高くない。
妻を殺害して被害者面をしてもだめだ。妻には手加減をして被害を小さくしたことが運の尽きだ。
そう考えると、俺は裏取りを始めた。
◇◇
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