第30話 魔王決戦! スープで世界を救え

 ――

 魔王城・玉座の間


 魔王城の最奥。重厚な扉を押し開けると、そこには漆黒の玉座に腰掛ける魔王と、その隣に立つ裏切り者ガルドの姿があった。


「来たか……勇者よ」


 魔王の声は低く、地鳴りのように玉座の間に響き渡る。赤黒い魔力が渦巻き、空気が震えている。


 ガルドが薄笑いを浮かべた。

「愚か者どもめ。ここが貴様らの墓場だ」


 セリーナ王女が一歩前に出て、剣を構えた。

「ガルド! 父を操り、王国を裏切った罪……ここで償わせます!」


 ガルドは高笑いしながら漆黒の剣を抜く。

「償うのは貴様らだ。魔王様、この者たちを血祭りに!」


 魔王がゆっくりと立ち上がる。その巨体と放たれる魔力に、空気が押し潰されそうになる。


 俺は鍋を握りしめ、仲間に言った。

「みんな、これが最後の戦いだ。スープで絶対に勝つ!」


 ――

 最終決戦開幕


 俺はスキル《料理》を発動。特製スープを鍋いっぱいに作り上げると、黄金の光が部屋中に広がった。ルナちゃんが一口飲んだ瞬間、彼女の杖がまるで太陽のように輝き始める。


「魔力が……あふれてくる……!」


 ロイドさんもスープを飲み、剣が眩い光を放つ。

「勇者様、この力なら……必ず勝てます!」


 魔王が漆黒の炎を放ち、ルナちゃんが光の魔法でそれを受け止める。ロイドさんがガルドと激しく剣を交える。玉座の間は炎と光、剣撃と爆発が飛び交い、まるで戦場そのものだった。


 俺は次々にスープを作り続け、仲間の力を最大限に引き出す。


「ルナちゃん、いけええええええ!!」


「メガ・ファイア・ストーーーーーム!!」


 炎の竜巻が魔王を飲み込み、ロイドさんの剣がガルドの防御を打ち砕いた。


 だが魔王は不敵に笑い、さらに巨大な魔力を解き放つ。

「人間ごときが……この私を倒せると思うな!」


 床が砕け、天井が崩れ、城全体が揺れ始める。


 ――

 ガルドの最期


 ガルドがロイドさんに斬られ、壁に叩きつけられた。


「ぐっ……馬鹿な……私が……」


 セリーナ王女が彼を見下ろす。

「あなたの野望はここで終わりです」


 ガルドは悔しそうに歯を食いしばり、ついに動かなくなった。


 だが魔王はその光景を嘲笑いながら見下ろしていた。

「愚かな人間同士の争いよ……だがそれもここで終わる」


 魔王の魔力がさらに膨れ上がる。


 ――

 勇者の決意


「お兄さん! このままじゃ王都どころか世界が――!」


 ルナちゃんの叫びに、俺は鍋を握りしめた。


「俺が……やる!」


 俺はこれまでで最大のスープを作り上げた。聖なる光が鍋から溢れ、仲間たちと王都の人々の祈りが一つに重なる。


「みんな、このスープに力を込めてくれ!」


 ルナちゃん、ロイドさん、セリーナ王女、そして戦場の兵士たちが祈りを込め、鍋がまばゆい光に包まれた。


「いけええええええええ!!」


 俺はその光を魔王に向かって解き放った――。


 ――

 魔王の最期


 光が魔王を包み込み、耳をつんざくような叫びが響いた。


「馬鹿な……人間の力で……この私が……!」


 魔王の体が砕け、闇が晴れていく。


 最後に残ったのは、静寂と光、そして温かなスープの香りだけだった。


 ――

 戦いの終わり


 ルナちゃんがへたり込み、笑った。

「お兄さん……世界、救っちゃったね」


 ロイドさんも剣を収め、静かに頷いた。

「勇者様のスープが、世界を救ったのです」


 セリーナ王女が涙を浮かべながら微笑む。

「ありがとうございました、勇者様……」


 俺は鍋を見下ろし、深呼吸した。


「これで……終わったんだな」


 魔王城の崩壊が始まり、俺たちは光の中を王都へと帰還していった。

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