16、サイコパス

「ぎゃぁぁ!」

 男が右手の杵を振った瞬間、男声の低い慟哭が響き渡った。

 その様子に満足するかのように、男は杵を引っ提げて笑っている。

「もう止めてください、これ以上は……」

 声の主は涙を浮かべて必死に男に懇願する。

 だが。

「なぁに言ってんだよぉ〜、こんなんで満足できるワケないだろぉ〜?」

 男は顔をニヤつかせながら再び杵を構える。

「お願いします、お願いします……」

「ははっ、これで終わりだ!」

 彼の願いも虚しく、男は動かないその体を目掛けて杵を振った。

 残されたのはバラバラの体と、赤く染まった首だけだった。





「――って感じのだるま落としシミュレーションゲーム作ってみたんだけどさぁ、やってみる?」

「やりづらいわボケ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る