12、黒歴史ナビゲーター

 私がふと目を覚ますと、そこは一面真っ暗な世界だった。すると、一人の男がこちらにやって来て言った。

「あなたに素敵な映像をお見せしましょう」

 そう言って男は虚空に手をかざす。

 すると、突然モニターが現れたかと思えば、映像が流れ始めた。

『俺の名は、漆黒の堕天使――』

「ちょっと待て、これ俺の黒歴史じゃねぇか!」

 なんと、私が厨二病だった時の映像が流れたのだ。

 私は慌ててモニターを壊そうとするが、拳は空を切る。その間にもどんどん黒歴史は再生される。

 私が赤面する様を、悪魔はただ嘲笑していた。






「人間に黒歴史を見せるのは面白いなぁ」

「息子よ、懐かしいアルバムが出てきたぞ。ほら、これはお前がお漏らしして泣いている――」

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