第5話 老舗
タクシーを一日使ってスキルボール屋を巡る。
「青いスキルボールを全部下さい」
「え!は?『青玉』?いや、失礼しました。すぐに持って来ます」
「やっぱ『青玉』って呼ばれてるんだな」
奥から三人がかりで持ってくる青いスキルボールは一個千円だ。
だが俺にかかれば一個で数億になるんだからやめられないよな。
一際大きな店構えの『マスターボール』にいくと青いスキルボールは売っていなかった。
「なんだ、つまんねぇな」
と言うと踵を返して外に出る。
「んーー」
と伸びをしてまたタクシーに乗る。
「次、お願いします」
大体回って最後のスキルボール屋は老舗の様で俺の店といいとこだろうな。
「こんにちはー」
「はい、いらっしゃい」
とお婆ちゃんが接客をしてくれる。
「ここはお婆ちゃん1人で?」
「そうだよー、お爺さんが残した店だからね」
「そうなんだね」
青いスキルボールは山積みになって埃をかぶっている。
「これを全部もらうよ?他に青いスキルボールはある?」
「まぁ、『青玉』さん?あるわよ、今出そうかね」
お婆ちゃんにも『青玉』と呼ばれるとはな。
「いいよ、俺収納持ってるから一緒に行くよ」
「はいはい、それじゃ手伝ってもらおうかね」
と倉庫の方に行くとまた大量の青いスキルボール。
「す、凄い数だね」
「ここに売りにくるのは初心者ばかりでね、売られると買わないといけないでしょ?そしたらこんな多くなっちゃって」
青いスキルボールだって売ったら500円にはなるのにこんな沢山。
「生活厳しいでしょ?」
「それほど?私1人だからね」
とお婆ちゃんは悲しそうに言う。
「よし、収納っと、1086個だね」
「まぁ、そんなにあったの」
と店に入りながら喋る。
「それじゃこれも収納っと、699個だね。全部で1785個だ
「まぁ。そんなにあったのね」
「うん、一個千円でいい?」
「はい、いいですよ」
「じゃあ、はい、178万5千円ね」
と現金で渡すと数え出すお婆ちゃん。
「はい、たしかに!スッキリしてよかったわ」
そりゃこんだけ溜め込んでたら大変だろうね。
「また溜まったらここに連絡したら引き取りに来るよ」
「あら『青玉』さんに名刺を貰うなんてね」
とお婆ちゃんは楽しそうだ。
「あはは、またね!」
とタクシーに乗って家に帰る。
まだ母さん達は帰って来てない様なのでとりあえず部屋で仕分けをしていく。
「……治郎、宗治郎!」
「うぉ!ビックリした。……母さんか」
仕分けに夢中で気が付かなかった。
「何が母さんか!なの!この大量の青いスキルボールは?」
「買って来た!最後の老舗のスキルボール屋で大量にゲットして来たんだ」
「そう、じゃなくてこれ名前が書いてあるけど?この中身?」
「そうだよ、欲しいのがあったら使っていいよ」
「いや、いいわよ」
「そう?この『若返り5歳』なんていいと思うけど?」
「い、いるわ!」
とやはり虹にはいろんなスキルがあるなぁ。
母さんは直ぐに使ったが5歳なんて言わなきゃわからないだろ?
「ご飯にするからそろそろ片付けなさい?」
「はいよっと」
すぐに『インベントリ』に収納してダイニングテーブルに座る。
今日は餃子らしい。
父さんの大好物だな。
父さんも帰ってくると、ご飯を食べながらまた喋る。
「宗治郎は今日もスキルボール集めか?」
「だね、まぁ、今日で終わりだけどね」
「じゃあ、帰るの?」
と母さんが聞いてくる。
「うん、あっちも心配だしね」
「そう、寂しくなるわね」
と言う母さんに、
「また来ると思うよ?またオークションに出すのができたからね」
「そうか!なら良かったな!」
「えぇ、でも貴方もダンジョンでレベルを上げなさい?スキルだけじゃダメよ?」
「やっぱり?だと思ってたんだよねー」
さすがにスキルだけじゃ自分の身を守ることが出来ないと思ってきたところだ。
「なんなら会社の社員を使う?」
「いや、いいよ。もう少しこっちにいて、レベル上げてから帰ろうかな」
「よし!じゃあ飲もう!」
父さんはスキップしながら冷蔵庫に向かう。
「あはは、現金だな」
「あの人はいつもそうよ?」
と言って少し遅い時間まで飲む事になった。
翌日は近くのダンジョンに行く。
池袋東口ギルド、
ギルドとは全世界にありダンジョンを取り扱う組合の様なものだ。
流石に丸腰ではいけないので装備を買う。
「たっかいなぁ」
革鎧と剣とブーツで100万越えか。
とりあえず新品の装備に着替えてダンジョンに入ろうとすると、
「あれ?『青玉』?」
「ん?あぁ、あの時のお客さん」
「うわぁ、見違えたね!凄いイケメンじゃん!」
「ほんと、ビックリしたわ」
「あはは、子綺麗にしろって親から言われてね」
「それにしても変わりすぎでしょ」
と話すのは『全属性魔法』と『収納』を買ったエリサとノゾミだ。
「え、1人でダンジョン?」
「まぁ、攻略メインじゃなくてレベル上げがメインだから、危なくない程度に進むよ」
「あ、なら私達も一緒に行くよ」
「いいの?」
「そりゃ、いいに決まってるでしょ?」
と2人してついて来てくれるそうだ。
心強いな。
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