ABYSS

wkwk-0057

プロローグ

数年前……だったか? 人類が壊れてからは数えていないが、確か真歴しんれき350年だったか――

神が眠る場所、禁域を人々が踏み入った。

その時からもう破滅の歯車は回っていたのかね。


禁域は広く大きな街ができるほどだった。

だからか、そこに街を作った。笑いながら、建てては行けなかった場所に。


大きな間違いだった。そして早く気づけば事は変わっていたのだろう。


だが、遅かった。

人々は怪物となった。


まだ目覚めるはずではなかった神が、目覚めてしまったのだ。

そこから人類は壊れた。

神を信じなかった者は祈り。

為す術もなく怪物へと変貌する市民たち。


だが人類はなされるがままではなかった。

執行者なる人々を生み出した。

鉄の武器を握り怪物を狩る者たちを。



だが希望も直ぐに摘まれた。


執行者は血に酔うようになった。

見境なく殺し理性がなくなり怪物と同等になる。


だから人々は祈る。


夜明けが来ることを。



まだ見ぬ光の先を。





だが、神は許さないだろう。



目覚めてしまったのだから。

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