Re:Light
shosuke
第1話 孤島への迷い道
この物語は妄想全開のサバイバルフィクションです。
焼けつく陽射しが肌を焦がす。
照りつける太陽を遮るものなど何もない、どこまでも続く道。
手荷物は何もない。
飲み物を買う小銭もない。
スマホも何もかもなくなってしまった。
長期休暇を利用して出かけた離島への旅。
今頃はコテージでのんびり寛いでいるはずだった。
はずだったのである。
私は行く予定のない島にたったひとりで途方にくれ歩いている。
繁忙期を乗り切って行くこの旅を楽しみにしていた。
そのため前日まで仕事に追われていた体は疲労にまみれ行きの列車では眠り込んでしまった。
島までの船の港の最寄りの駅に居り時計を見ると船の出航時間間際だった。
慌てて港へ走り出航の汽笛を鳴らしている船に飛び乗った。
出航島へ着き船着き場へ降り立つと緑濃い森が目の前に広がっている。
その美しさに感動して森の中へ歩き出す。
背後で今、乗ってきた船が再び出航していくのが見えた。
森は思いの外深くどこまで行っても出口がない。
少し不安になりスマホの地図アプリを開いた。
地図を見ただけでは何も情報が得られない。
仕方なく今夜泊まる宿の名を検索窓に打ち込む。
船がスマホの中の青い点が現在地からスルスルとんで別の島を指し示す。
打ち込みまちがいかしら?と再び打ち込み直すが先に指し示した青い点から動かない。
その時はじめて上陸する島が違うことに気がついた。
慌てて船着き場へ戻る。
周りには船どころか人影も見えない。
スマホの地図アプリに記されている島を検索してみる。
見ると二つ隣の島だった。
地図アプリによると島と島は古い橋で結ばれており歩いて行けない距離ではない。
次の渡船が来るのは夕刻である。
調べてみるとそこから目的の島までは渡船がない。
どうしたものかと途方に暮れるが歩いて行くしか方法はない。
私は地図アプリの指し示す方向に向かい歩き始めた。
しばらくは森の中を歩いていたが突然道が拓け海岸に出た。
住んでいる人も少ない島なのか道も舗装されておらず砂ぼこりが巻き上がっている。
砂浜もない岩だらけの海岸で波が静かに打ち寄せている。
海岸線は島に沿って湾曲しており、先のほうに目を凝らしても橋らしいものはまだ見えない。
重い荷物を背中に背負いながら歩く。
たまたまだがリュックサックで来て良かったと思った。
荷物は重いが両手が自由なのはなにより心強い。
地図アプリではあと10kmほどでとなりの島へ渡る橋が見えてくるはずだ。
to be continue‥
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