最初の命令は「メガネを外して」
お爺さんに貰った催眠アプリを起動させるとクラスメイト全員が催眠術に掛かってしまった。
えっ、どうしよう。
このパターンはシミュレーションに無いぞ。
いきなりエッチなイタズラをしていいと言われてもどうしたらいいんだ?
催眠術の動画なんてしっかり見たことなんて無いし、なんとなくの知識でやるしかないのか。
まあ催眠状態の人が相手なら話せそうだ。
上手く話せなかった時のために催眠術に掛かっている間の記憶は無くなる事にしよう。そうしよう。
「じゃ、じゃあまずは、皆さんは催眠に掛かっている間の記憶は無くなります。これから起こる事は何も覚えていないのです。分かりましたね?分かったら顔を上げてください」
うぉっ。
俺の言葉に反応するように全員が顔を上げた。
マジか。
全員を支配しているような不思議な感覚になんだか興奮してきた。
「催眠の間の記憶は無くなるんだよな?なら俺のしたい事をしたらいいのか?お爺さんが言ってたようにエッチな命令も出来るとかヤバ過ぎだろ」
心なしか彼女達の顔が赤い気がするが気のせいだろう。
もう本能のままに行動しちゃおう!
「では
うわぁ言ってしまったよ。
キモいなんて思われないよな?
でも記憶が無くなるから大丈夫か。
クラスでは委員長を務めているしっかり者のお姉さんというイメージの栞さん。
キリッとしたキツイ印象はメガネから来ているのだと思っている。
ずっとメガネを外した顔が見たかったんだよな。
「はい」
「うわぁ可愛い。メガネかけてキリッとしてる栞さんもいいけど外したらヤバいな美少女。めっちゃ可愛い。このメガネの度は強いのかな?ちょっとかけさせてもらうね」
なんだこれ!伊達メガネかよ!
他の子も居るから声に出して言わないけど。
こういうのって内緒にしてるのかもしれないからな。
委員長という立場として舐められないようにメガネで武装するとか可愛いとこあるんだな。
でも言ってもよかったのか?どうせ皆の記憶無くなるんだから。
「はい、返すね、ありがとう。どうしよう催眠解けた時にメガネかけてなかったら変に思われるよな。そうだ!栞さんメガネかけてあげるから少し上向いて、うんうん、こっちのメガネかけた栞さんも好きだな。なんか叱られてみたくなる」
顎を持って上を向かせてたら何故か目を閉じたままになる栞さんにメガネをかけてあげる。
上向いて目を閉じた女の子って可愛いさ二倍になるんじゃないか?
思わずキスして抱きしめたくなったじゃん。
あれ?抱きしめてもよかったのか…催眠掛かってるんだし命令すれば…
でも催眠中とはいえ俯瞰で見た時の自分がキモいと思ってしまうんだよな。
今は可愛い女の子を間近で見ていられるだけで楽しい!
うん、うん催眠楽しい!
「次は君、ええっと名前は…」
キーンコーン♪カーンコーン♪
「えっ?ヤバい!予鈴鳴ってる!もうそんな時間かよ!なんだよ時間足りないよ!あー、また明日の朝やってもいいのかな?それじゃあ俺が手を叩くと催眠が解けます。この間の記憶も無くなりますよ!さん、にぃ、いち、パン♪」
これで大丈夫だよな?
よかった、皆さん動き出した。
放課後とかお昼休みにもヤりたい所だが男は午前中で授業が終わりだ。
しかたがない今日はもう諦めよう。
◇◇◇◇
「どう?陽太くん帰った?」
「うん、警護官の迎えの車に乗り込んだよ。じゃあ」
「「「「「し~お~り~!」」」」」
「なによ」
「栞だけズルい!なんか可愛い可愛い言われちゃってさ」
「「「「「そうだ!そうだ!」」」」」
「それを私に言われても、私だって恥ずかしかったのよ」
「じゃあアレはなに?あごクイされた時、あの時の栞ってば一番可愛いキス顔をしてたじゃないの!メス出してんじゃん!」
「そ、それは…キスして欲しかったから…ゴホン、そうだわ彼言ってたわよね?明日も催眠アプリするみたいだし明日は誰に何をするのでしょうかね」
「「「「キャー♡」」」」
「どうしよう明日は私かも」
「ハグされたり?」
「キスしてくる?」
「そうだ!キス顔練習しようよ!」
「」
「」
「」
「可愛いって言われたの私だけなのよね」
「「「栞!何か言った?」」」
「なんでもな~い」
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