ご依頼の記録【沖嶋エマ様1回目】

『はい、レンタル恐ろしい人でございます』


「え、マジでつながった! ヤッバ、ウケるんだけど。ほんとに存在してんの? あーあ、やっぱり私、持ってるわ~」


『ご用件をお伺いしてもよろしいでしょうか』


「ってかさ、ミクのヤツ『番号読めない』とか言ってたけど、フツーに読めるべ? マジで大げさなんだよね、あの子。バカだし」


『どのようなご用件でしょうか』


「用件? あー、彼氏に浮気されてんの。ムカつく女がいんのよ、私の彼氏に色目使ってる小悪魔系のブリッ子。で、今夜その浮気女と三人で話し合うから、そこでドカーン! って来てほしいの。わかる? 空気ぶっ壊す感じで。あいつらマジでビビらせてやりたいから」


『承知いたしました。ご指定の場所とお時間をお願いします』


「〇〇駅西口のファミレス、今日の夜七時。絶対遅れんなよ? こっちは人間関係かかってんの。外したらブチギレるから」


『かしこまりました。〇〇駅西口のファミレスに本日夜七時でございますね。七時ちょうどに入口前に参ります』


「マジで七時ジャストだかんな?」


『ご利用料金は一回につき五十円、すべて五円玉でのお支払いとなります』


「はぁ? 小銭とか持ち歩いてるわけないだろ。ペイペイで払えないの? 今どき現金オンリーとか、サービス業やってる自覚あるわけ? クソだるいわ」


『恐れ入りますが、現金のみでございます。ただ、特例といたしまして六文銭でのお支払いも可能でございます』


「はぁ? ろくもんせん? てか、そんなの持ってるやついる? バカじゃないの?」」


『仏具店でお買い求めいただけます』


「マジ意味わかんない……うっざ……。まあいいや、五円玉くらいどっかで崩すし。ほんとメンドい」


『ありがとうございます。それではご指定時間に、恐ろ莠コ諤縺が現れますので』


「フフ、あーもうマジ最高。あの女の顔、早く見たい!」

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