第2話:これまでのあらすじと『爾雅』月陽・月名表

中国最古の事典『爾雅じが』って、前漢の頃にできた書物があるんだ。

そこにはね、十干とか十二支だけじゃなくて、「月陽(月の十干)」とか「月名」とか、妙ちくりんな別名がずらーっと並んでるんだよ。


たとえばさ――

十干なら「甲=閼逢あつぼう」「乙=旃蒙せんもう」。

十二支なら「寅=攝提格せつていかく」「卯=單閼たんあつ」。

……なんじゃこりゃ? 呪文? 暗号?って感じ。


で、前作の『失われた音声表と大黒天の名』、さらにその前の『失われたシヴァ真言マントラ』では、


十干の異名が実はサンスクリットの音声表に見えてきたり、


十二支の異名がシヴァ神の真言に化けてきたりして、

もう自分でも「いやトンデモすぎだろ!」ってツッコみたくなる解読になっちゃったんだよね。


でもさ、まだまだ謎は残ってる。

次に挑むのは「月陽」と「月名」の表。


「月名」の二月は「如」、五月は「皋(皐)」。

これ、日本でもちゃんと残ってて「如月きさらぎ」「皐月さつき」って呼ばれてる。

思えば「きさらぎ駅」があんなに謎めいた雰囲気で語られるのも、「如月」って漢字がもともと何を意味してるのかよく分からんからなんじゃないかな。


さーて、今回はこの「月陽」と「月名」を、どう料理してやろうかね。



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