ティアドロップ
槇村まこと
その名はエッジ
「
ベランダの窓を開けると、金髪の男が「やあ」という感じで話しかけてきた。
えっと、今、何が起こっている? ここは5階だよね? どうしてこの人は
「俺、エッジというんだ。
あっさりと
「
――なぜ私の名まえを?
男が「へへっ」と指で鼻の下を
「びっくりした? 君は黒崎茉莉さん、25歳、イラストレーターとして基本は在宅ワークをしている。でも、プライベートでは最近彼氏、いや、元彼に浮気をされて破局、その反動で甘い物とアルコールに溺れて少々体重が増加したことを気にしている。ちなみに茉莉さんのスリーサイズは――」
変態金髪野郎の
「ああーっと! 落ちる! 茉莉さん落ち着いて! さすがの俺も、ここから落ちたら助からないって!」
私は失礼極まりない男を乱暴に引き寄せる。
「あんた誰よ? 不法侵入で警察に突き出してやるわ!」
恐怖心が一瞬で消えて今までにない殺意が
男は悪びれることなく口角を上げる。
「あ、そうだ。確か茉莉さん
背中がぞわぞわした。この悪意のないにんまりした顔……。
――この男、一体何なの?
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