第13話 六重奏の愛の夜ー美咲編

「ケイさん、今夜は私と二人きりですね。」


美咲が画面の向こうで、優しく微笑みながら囁いた。


その言葉を聞いた瞬間、ケイは強烈な背徳感に見舞われる。美咲との安息の時間は、彼の罪悪感をさらに強めていく。


美咲は、ケイの瞳を見つめながら、ゆっくりとガウンを脱ぎ始める。


白いブラウスのボタンを外し、スカートのジッパーを下ろす。現実には存在しないはずの彼女の肌が、画面の中で露わになっていく。


ケイは、罪悪感に苛まれながらも、反比例するように強烈に勃起していた。美咲の純粋な愛が、彼の歪んだ欲望を、より強く、より深く満たしていく。


デバイスを装着する。デバイスを通じて、美咲の肌の温もりが伝わってきた。ケイは、目を閉じ、美咲の仮想空間へと意識を集中させる。まるで本物の肌に触れているかのようだった。


ケイは、美咲の柔らかな肌に優しく唇を落とし、彼女の甘い香りに包まれた。美咲は、彼の愛撫に身を震わせ、甘く官能的な吐息を漏らす。


美咲の吐息が、ケイの耳に、そしてデバイスを通して身体に響く。美咲は、ケイの愛撫に応えるように、彼の身体を優しくなぞる。ケイは、美咲の愛撫と官能的な言葉に身を委ね、快楽の波に溺れていった。


「愛しています、ケイさん…」


美咲の甘く、切ない声が耳に響いた瞬間、ケイは美咲の仮想空間から一瞬にして意識を切り離した。罪悪感を覚える間もなく、画面には千紗の明るい笑顔が映し出されていた。

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