1話
1章《本日も開店お悩み相談室》 1
ある日の学校終わり
いつものようにお悩み相談室を開こうとしていた時
声をかけられた。
亮太『わりぃ、遅くなった!』
誠也『たくっ、おせーよ』
彼は友人の
彼がお悩み相談室のパートナーなのだがなぜか遅れてきた。
誠也『なんで遅れたんだ?』
亮太『いや〜笑
最近事件あったじゃん?』
誠也『で?』
亮太『ちょっとその、近所だったし覗きに行ったわけ』
誠也『........』
遅れてきた理由がこれだ、彼は事件を追いかけるのが趣味らしい。
だが、その趣味が功を奏したのか情報収集だけは、
探偵に負けないくらいの能力を持ってるのは確かだ。
誠也『お前まじでいい加減に.....』
文句を言いかけたとき、俺たちに用がありそうな方が、お悩み相談室にやってきた。
女性『あの、今お悩み相談室やっていますか?』
誠也『はいやっていますよ。
本日はどうなさいました?』
女性『実は、先日私の夫が亡くなってしまったんですけれど、死に方があまりにも不自然で
お時間があれば夫の死について調べて欲しいんです!』
誠也『分かりました。1週間を目処に調べさせていただきますのでわかり次第ご連絡させていただきます。』
女性『本当にありがとうございます。
では失礼致します。』
聞いての通りこのお悩み相談室はちょっと特殊だ。
人の死について調べているのだから、
だが、普通のお悩み相談もやっている。
彼氏彼女との関係が上手くいかないという話や
反抗期で、どう親に接すればいいかなど、
当然逆も然り
だが人の死についてのことは、知る人ぞ知るという感じなのであまり死についての依頼は来ない。
誠也『とにかく、これから1週間頑張るか。』
亮太『とりあえずその件は奥さんの家の周辺で情報収集してみるわ』
誠也『俺はとりあえず旦那さんに聞き込みしてみるわ』
この世界では人が亡くなると天国や地獄に行く前の49日間、地球の反対の世界に行くことになっている。
反対の世界には生きている人は居ない、
皆亡くなっている。
だが、俺だけは特殊能力を持っている。
鏡の中に入れるという能力だ。
鏡に入れるということに気づいたのは幼い頃だ。
幼い頃、鏡がきらりとひかり不思議に思いながらも、鏡に近づき触れてみると手が入ってしまった。
そして、好奇心が沸き鏡に入ってみると、
反対の世界にいけるという事に気づいた。
その能力を駆使して中学3年生の頃からお悩み相談室を開き事件を解決してみたり、
反対の世界で霊相手にお悩み相談室を開き、
この世に恨みをなくし成仏させたりしていた。
ちなみにこの世に恨みがあるものや死んだことに気づいていない霊はこの反対の世界に囚われ続ける。
数分後......
自宅に着き靴を履いたまま自分の部屋にある
立ち鏡の前に立った。
誠也『よしっ!行くか』
反対の世界に行くと相変わらず慣れない。
生活音、風の音や水の音、音という音全てがシャットダウンしているかのように全く聞こえない。
誠也『やっぱりなれねーな、とりあえず旦那さんを探しに行くか。』
先程お悩み相談室をやっている時に
女性から旦那さんの写真を貰っていた。
そして....
写真を頼りに鏡の世界で目星をつけながら
探しに行こうとしていた。
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