第31話 炎の誓い ― 第三十一話「光のバリア」
光に包まれた悠真たちは、次の瞬間、どこか別の空間へと転送されていた。
そこは、かつて栄華を誇ったであろう壮大な回廊――だが、今は瓦礫と闇に覆われた荒廃した地下都市だった。
「……ここは……?」悠真が呟く。
「ヴィアンデン城の……地下か」氷河が険しい表情を浮かべた。
だが、安心する間もなく、背後から闇の気配が押し寄せた。
――ラファエル・シュナイダー。
扉を追って転移してきたのだ。
「ふははは…逃げ場などない」
ラファエルは片手を掲げると、漆黒の波動を解き放つ。
空気が凍りつき、地響きが響き渡る。
「くっ……!!」悠真たちは必死に身構えるが、その闇は強大すぎた。
その瞬間――莉奈が前に躍り出た。
「――絶対に、みんなを傷つけさせないっ!」
両腕を広げ、全身から光を解き放つ。
まるで天から降り注ぐような輝きが、仲間たちを包み込む。
――ドンッ!!
ラファエルの闇の波動が直撃する。
しかし、莉奈の光のバリアがそれを完全に弾き返した。
「なっ……!!」ラファエルの表情がわずかに揺らぐ。
「効かない……!?」隼人が驚きの声をあげる。
「すげぇ……!」雷太が叫んだ。
黒木でさえ目を細め、低く呟いた。
「この光……闇を無効化するのか」
莉奈の顔は汗で濡れ、唇を噛みしめながら必死に光を維持していた。
「……私が……守るの……氷河くんも、悠真お兄ちゃんも……みんな……!」
全身全霊を込めた光の力。
ラファエルの攻撃は一歩も通じず、仲間たちは守られ続けた。
「バカな……私の闇が、通じない……?」
ラファエルが苛立ちを隠せず、さらに力を高める。
その圧力に耐えながら、莉奈は必死に光を広げ続けた。
――だが、その光はいつまでも持つものではなかった。
悠真は拳を握りしめ、氷河は無言で前に出ようとする。
澪と隼人は互いに視線を交わし、黒木は静かに闇を解き放つ構えをとった。
戦いは、次の段階へ突入しようとしていた。
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