俺のことを好きな幼馴染(美少女)が男のふりして男子全寮制高校に押しかけてくる。そしてルームメイトとして居座る
遠都衣(とお とい)
プロローグ 俺のルームメイトは男になりすました美少女です
「ねえ、
はぁっ……、と熱く
――男であれば誰もが襲いたくなるような柔らかそうな華奢な体。
――ほんのりと上気した桃色の頬の上には、こちらを見上げてくる潤んだ瞳。
寮部屋のベッドの上に投げ出された細い脚が、もぞりとじれったそうに
「……いや、
「まずくないよ。だって僕、男の子だよ……? 男の子同士だから、問題ない……っ」
だから……、ね……? と言わんばかりにねだってくる、欲に
「あるだろ、問題。だって、俺たちまだ高校生だし。ルームメイトとこんな……」
「平気だよ? 脩。誰も見てない。だって今この部屋には、僕たちしかいない……んっ」
だからやめないで……、と誘ってくる瑠偉は、俺の理性がどうにかなりそうなほどに色っぽい。
「…………ここ?」
「んっ、やあっ……!」
俺がそこを押すと、ピンポイントでいいところを押し当てたのか、瑠偉が非常に気持ちよさそうな声を上げ、身体をのけぞらせる。
「……お前、ただのマッサージでそんな妙な声あげるなよ……!」
「あんっ、だって。脩がうますぎるんだもん……! いやあっ」
俺が肩のツボを押すと、瑠偉が再び、男とは思えない高さの可愛らしい嬌声をあげる。
はあ……、はあ……、と荒く吐く息さえ艶かしい。
――ここは、私立
男子校なので当然女子寮はない。
全寮制高校なので、生徒全員が二人一組となり一つの部屋で生活することを義務付けられている。
そして、
この学校に入学し、俺のルームメイトとなったのが、この【美少女にしか見えない男】、
身長158cm、体重、多分……45kgくらい。
男子とは思えない華奢な細い身体に、マッサージと称して触れるだけでも壊してしまうのではないかと心配になる。
なのに、実際に触るとすべすべしていて柔らかくて、俺の手に優しく吸い付いているのではと勘違いしそうで……。
「あんっ……、しゅう、気持ちいいよぉ……!」
ぐり、と俺が瑠偉のイイトコロを押すと、はあっ、と吐かれる荒い息と共に、色素の薄いミルクティーみたいな髪色のショートカットが揺れる。
――いや、もうダメだろ。限界だ。
「瑠偉、もうやめよう。確かに、今日体育の授業がキツくて、お互いマッサージし合いっこして筋肉痛をほぐそうって約束したけど。でも……」
「でも……?」
ベッドの上で上半身を起こしながら、まるで男に襲われているみたいな体勢になった瑠偉が俺に問い返してくる。
首元が苦しい、と言って外したシャツのボタンから、瑠偉の白い胸元が深く
それは、俺が学生寮の寮部屋でイケナイことをしていると錯覚してしまいそうなほどに扇情的で――。
「……俺は今日、体育で少し、いやだいぶ疲れてる。そしてお前は男にしては可愛すぎる。……これ以上スキンシップを取り続けたら、俺はおかしくなる気がする」
……言った。
俺はちゃんと、男として誠意ある行動を取った。
俺は、己の欲望に勝ったのだ――。
そう思った。しかし。
「……いいよ? ……おかしくなっても」
そう言って、俺の耳元まで近付いてきた瑠偉が、吐息混じりに小さく囁く。
濡れた声で。
誘うように。
耳元で囁いた柔らかい唇が、俺の耳たぶに触れた気がした。
そうして瑠偉は、呆然とする俺の手を取り、自らの体に触れさせるように引き寄せようとする。
――やめてくれ。マジでおかしくなる。
いいか? 俺は知ってるんだ。
お前は俺に隠し通せていると思い続けてるけど、俺はとっくに気付いている。
お前はずっと『自分は男だ』と言い張ってるけど、実は男子校にこっそり入学してきた、正真正銘の女の子だということを。
そうして『男だ』と言い張りながら、俺にベタベタとくっつこうとしてくることも。
なぜ――、こんな状況になったのか。
それを説明するには、話は3ヶ月前まで遡る。
入寮の日、ルームメイトとなった瑠偉が、初めて俺の前に現れた日のことである。
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