第17話 作戦会議『商業ビル潜入作戦』
作戦会議開始の時刻、未だに召集された人々が全員いるわけではなかった。定刻通り来た二人は不安やら怒りやらで表情をあらわにしていた。
鷺島「ルータたち、遅いなぁ~」
颯田「何かあったのかな......」
机に寝そべるリツと室内をぐるぐると歩くケント、お互いに共通しているのは負の感情を持っているということだろう。
程なくしてルータ・ウッドストンと白亜ユキが来た。一方は焦ったような表情でもう一方はどこか俯くような表情で登場した。
鷺島「遅い!!」
ウッドストン「すまない、二人とも」
白亜「......はぁ~」
ウッドストン「作戦の概要、説明してもいいか?」
消えかけの蛍光灯、剥き出しの鉄筋コンクリート、狭いこの空間で何か大きなことが始まろうとしていた。
ウッドストン「今回はどうやらDOPAMINEの日本にいる残党の会議が行われるらしい」
鷺島「情報源は?」
ウッドストン「......五月雨だ」
鷺島「そうなのね、あれ、レイナは?」
ウッドストン「五月雨は単独で下見に行かせる。あと今は一人にさせてほしいそうだ」
鷺島「......そういうことね」
何か疑問があるような表情、沈黙があったがそれを取っ払うかのようにそう答えた。
颯田「それで、僕たちは何をするんですか?」
白亜「DOPAMINEの奴らをぶっ倒すんだよ!!......はぁ~裏切られたとしても元仲間を殺させるなんて酷だよな」
ウッドストン「だがな、日本他殺撲滅委員会との接点があるとわかった今、放っておくわけにはいかないんだ」
鷺島「他殺撲滅委員会とは接触しないよね?」
不安を呼び寄せるような空気感が辺りを覆う。
ウッドストン「接触する」
颯田「それって本当なんですか?」
ウッドストン「ああ、だが決して戦おうとするな、特に上井と下井には」
不可解な行動が目立つあの組織だ。僕らを殺すことができるはずなのに途中で退却したりする。油断させているのか?はたまたそうせざるを得ないのか?
鷺島「わかった。それで具体的に何を?」
ルータ「俺と白亜が......
作戦を簡略的に説明するとこうだ。回収部門全員でDOPAMINE残党と交戦するがルータさんと白亜は日本他殺撲滅委員会が来た場合、命が果てない程度に時間稼ぎをするらしい。また単独で行動している五月雨さんは監視するようだ。他にもGATHERには人がいるが彼らは基本、戦闘能力を有していない調査部門のため交戦はできない。
ウッドストン「......ということだ。他に質問は?」
鷺島「ねえ、さっき私にやらせたのはなに?」
ウッドストン「え、なんのことだ?」
ルータさんは何か見当のつかない雰囲気を醸し出している。それは雰囲気、ただそれだけに過ぎない。
鷺島「メジャー持たせて採寸させたでしょ?」
ウッドストン「......」
白亜「......それは踏み込みすぎだ、ウッドストン」
ジト目を連想させる表情で訴える眼差しと憐れだな、といわんばかりの眼差しに囲まれたルータさんは沈黙し続けていた。
ウッドストン「......五月雨が、五月雨が悪い」
鷺島「そんな毎回さ、レイナが仕向けているわけないでしょ?」
ウッドストン「いや、本当なんだって!」
嘘偽りなど一切ないと言いたげな顔で釈明している。
鷺島「もう終わったことだからどうしようもないけど......結局作戦開始までに完成するのよね?」
ウッドストン「その心配はいらない、GATHERの非戦闘員が総出で製作するから必ず間に合うよ」
先程までの命乞いをするかのように焦っていたが次の瞬間、その色は見えなくなる。
颯田「そもそも何でスーツを?」
ウッドストン「目的の商業ビルは何かと敷居が高い。護衛の人員を雇うようなセレブも使うことで有名でなようで怪しまれないためにもスーツを着ていく」
迂闊な行動にはでれないと悟る。少しでも怪しい行為をすればすぐ追い出されてしまうだろう。
それにどうやら目的の人物らがいるのはかなりの上階のようだ。辿り着くまでが至難の技かもしれない。
ウッドストン「そういうことだ、皆んな正装でいくぞ。鷺島はドレスでいいよな?」
鷺島「え、ド...レス?」
白亜「無知なところが浮世離れしているみたいでいいじゃないか」
鷺島「はぁ、あんたこそドレス着たそうじゃない?」
白亜「生憎、ホルモン注射しても骨格が男なもんでね」
なんやかんやありまして、会議にいるリツ以外はスーツでいくことが決まった。
会議を終えて明日の作戦のために休養をとろうと部屋に戻ろうとする。
最近、学校休みすぎているけどちゃんと卒業できるかな......
気持ちでは分かっている。でも今あるこの生活がどこかへと手元から離れていく、その世界に飲み込まれていく。
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