第4話 ギンガ

「ゼロス! お鎮鎮がねぇとシコれねぇ!」

 俺は朝食をとっているゼロスにクレームをつける。

「女の体が全然気持ちよくねぇ!」

「俺が知るか」

 なんて冷たいやつだ。

「あああ! 俺のお鎮鎮は何処だァ!」


「おいおいお鎮鎮をお探しかい?」

 黒光りスキンヘッドがやってくる。

「だったら俺の黒くて硬いお鎮鎮はどうだ?」

 そこには黒光りしそうな盛り上がりが見える。


 そうか。そこにあったのか俺のお鎮鎮。俺はばっとその盛り上がりをめくる。

「んおっ♂」

「これが俺のお鎮鎮だぁ!」

 黒光りの後ろから掴んだお鎮鎮を神速でシコル・ギウス!

「んほぉぉぉーーー♂♂♂」


 一瞬で果てる黒光り。迸る♂が光となって消えていく。

「まだだ! 俺のお鎮鎮はこんなものじゃねぇ!」

 ガっとタマを掴む。

「まて! これ以上は形態進化しちまうぞぉぉぉ!!!」

「うるせぇ! 俺のお鎮鎮はこんなもんじゃねぇ!」

「いやぁ♂♂♂ オークになるのは嫌ぁ♂♂♂」

 そういいながらも俺のお鎮鎮が起立していく。流石は俺のお鎮鎮だ!

「これは俺のお鎮鎮だぁ! お前のお鎮鎮じゃねぇ!」

「んほぉぉぉーーー♂♂♂」


 黒光りが果てる。だが俺はシコレてない。

「まだだ! 俺はまだシコれてない! 俺のお鎮鎮はどこだぁ!!!」

 食堂に俺のお鎮鎮達が見え隠れする。まだあるじゃないか。

「俺のお鎮鎮はどれだぁ!!!」


「いやぁ♂♂♂」

「ママ♂、ママァ♂♂♂」

「んほぉぉぉーーー♂♂♂」


 そこには俺のお鎮鎮の残骸が倒れている。だが俺はシコれてない。


「何をしているのあなた」

 その声の方を見るとライフルらしきものを携えた銀髪女が居る。昨日のスナイパーだ。

「シコってるんだ! 俺のお鎮鎮で! だが俺がシコれねぇ!」

「え、と、どういうこと?」

「俺達女は性的搾取をされているんだ! 俺達にはお鎮鎮がついてねぇ! 見ろ! こいつらの顔を! これがお鎮鎮を持つ者の優越感だ! 俺達女にはこれがねぇ!」

「え、と、・・・で?」

「だから奪い返すのさ! 奪われたお鎮鎮を取り戻すんだ! これは正当な行為だ!」

「つまりシコりたいのに出来ないって事?」

「そうだ! だから俺は奪われた俺のお鎮鎮でシコっているんだ!」


 銀髪女は何かを考え込むように右手を自分の顎に当てた。


「女でもシコれるでしょ」

「駄目だったんだ! 俺はTS転生だ! それじゃ駄目だったんだ!」


 また銀髪女は考え込む。


「やり方。教えてあげようか?」

「マジか!?」

「じゃあ一つだけ条件。舌は使わないで。舌は生命に直結するから同性だと体が拒否する。女の子同士でも絶対にダメ。これを守れる?」

「守れる!」


 勢いよく返事をする俺に銀髪女が近づいてきてキスをしてくる。

 テストか。俺はシコリたいだけだ。そっちは問題ないぞ。


「ん。大丈夫みたいね。私はギンガ。あなたは?」

「俺はシコル・ギウス。シコルと呼んでくれ」


ーーー


「待たせたなゼロス」

 俺達は食堂で昼食をとっているゼロスの所にやってくる。

「お? よく生きてたな。もう会えないと思ってたぜ」

「ギンガに教えてもらってばっちりだぜ。ただお鎮鎮は超えねぇな。やっぱお鎮鎮が欲しいぜ」

「いや、よく形態進化しなかったな。確実に魔物堕ちだと思ってたんだがな」

 ゼロスが懐からハンドガンを取り出す。懐には隠せないほどの大口径ゼミオートだ。

「見た目が人間なだけで中身が違うなんてことはないよな?」

 ? 俺は股間を確認する。

「いや。生えてないぞ。本物だ」

「どういう判断だよ。あれだけやらかして何のお咎めもないってのは、もう変わってるんじゃねぇかって話だ」

 ああ、なるほど。

「ハンドガン。空砲化」

 俺は召喚した銃を床に向けて空砲を撃つ。問題ないな。それを見てゼロスはハンドガンをしまう。

「頭の回転は速いようで助かるぜ。そっちも逝ってるのか心配だった。んでそっちは?」

 ゼロスがギンガの方を指さす。

「さっきの戦闘でスポッターが逝ってしまった。代わりじゃないけどパーティに入れて。流石にスナイパー一人は危ないから」

「ああ。確かにシコルは丁度いいな。コイツは安全なのか?」

「安全。あなたも危険な感じがしない。それでどう?」

「ゼロスだ。構わないぜ。死なない奴は歓迎だ」

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