契約戦記フェイスコード ノベライズ版 1部 コスモスVSカオス

赤澤月光

第1話 第1章「契約の面」

契約戦記 フェイスコード ―コスモスVSカオス―








プロローグ ―狭間の針音―






契約は、顔を担保に結ばれる。


署名した瞬間、その人間の存在は条文に縛られ、報酬と引き換えに「顔」を守られる。




だが契約にはもうひとつの顔がある。


光と闇――コスモスとカオス。


五対五の戦士が戦い、最後は必ず相討ち。


それが人類史の裏で繰り返されてきた「契約戦記」の伝統だった。




だが今回は違う。


契約書に新たな条文が書き込まれた。




――「コスモスの戦士が全滅したとき、爆弾が起動し、人類は全員ノッペラに回帰する」




爆弾の針はすでに動き始めている。


人類が顔を失うまで――あと30日。









第1章「契約の面」








1. 契約署名






新宿の小さなバレエスタジオ。


鏡張りの空間で、若きプリマ・沙羅は手を震わせていた。


舞台で笑顔を作れなくなった。


観客の前に立つと、顔がひび割れ、崩れ落ちる幻が見えるのだ。




「お願いです……私の顔を守ってください」




事務机の向こうで、黒髪の青年――秘書・御影蓮が淡々と頷く。


「署名を。担保は生命。報酬は“顔を舞台に立たせる権利”です」




沙羅は涙をこぼしながら指を押した。


契約書に光が走り、スタジオ全体が震えた。


鏡が波打ち、壁が剥がれ、空間そのものが――契約舞台へと変貌していく。




蓮はタブレットに指を走らせる。


「コスモス、業務開始。観客数百。条文干渉率、臨界」









2. カオスの来訪






その時、鏡から黒い糸が溢れ出した。


糸に吊られたのは、仮面をかぶった女――カオス戦士ドール。


仮面は笑っているのに、その下に顔はない。




「観客がいれば、舞台は動く。顔など飾りにすぎない」




糸が鏡から這い出し、スタジオの椅子やバレエバーを操る。


観客の視線が集まるたびに糸は太くなり、沙羅の顔を覆い隠そうとした。




「やめて……!」


沙羅の悲鳴は糸に吸われ、観客のざわめきに書き換えられる。









3. コスモス戦士、出陣






「契約舞台を破る者には、私たちが立ちはだかる!」




青の光が踊り場を駆け抜けた。


コスモス戦士・セレーネ。


守護面が月光のように輝き、両手から光の矢を放つ。




続いて赤い光が爆ぜる。


「笑顔を操るなら、私は“意志の顔”で撃ち抜く!」


炎のような赤を背に、コスモス戦士・ルミナが現れた。




二人は糸を切り裂き、沙羅を守るように前に立つ。









4. 糸と光の舞踏






「観客は笑っている。だから条文は揺るがない」


ドールの糸が何十本も伸び、鏡像の観客が首を傾けた。


沙羅の顔が再びひび割れ、舞台は人形劇場と化す。




「観客がいる限り、私の糸は無限」




セレーネの光矢が糸を焼く。


ルミナの赤光が舞台を照らし、沙羅を引き寄せる。




だが糸は再生する。


観客が笑うたびに、仮面の糸は力を得る。




「強い……!」セレーネが息を呑む。


ルミナは歯を食いしばった。


「でも、顔を守るために私たちは契約してる!」




二人の面が重なり合い、光がさらに強まった。


糸は弾け、ドールは鏡の奥へと退いた。









5. 終幕






舞台は元に戻り、スタジオの鏡が割れて砕けた。


沙羅は崩れ落ち、両手で自分の顔を確かめた。


そこに笑顔が戻っていた。




「ありがとう……ありがとう……」




蓮はタブレットを閉じる。


「契約完了。依頼人守護成功。損害、最小限」




彼の眼差しは冷ややかで、どこか遠い。


そして、針の音が夜を裂いた。




人類が顔を失うまで――あと30日。









文体について






心理描写厚め(沙羅の恐怖、蓮の冷静さ、戦士たちの決意)。

戦隊風のスピード感(登場シーンは名乗りを意識)。

最後は必ず カオス視点のカウントダウンで終える流れを維持。

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