インフェクション・オブ・ソウルイーター

広瀬 利光

第1話 プロローグ

俺の名前は利賀英二(とがえいじ)、45歳は現在・・・人生最大の窮地に立たされている。


なぜかって?自宅に知らない男達が突然押しかけてきて殺されかけてんだよーーーー!!!  

「なぁ!あんたら何でこんなことすんだよ!!」

 ボール状の何かで殴られ朦朧としながら


5人組の金髪オールバックのリーダーっぽい男に俺は叫んだ


すると金髪オールバック男は・・・


「あぁ?お前自分の現状わかってねぇのか?」


俺は何回も頷いて答えを求めた


「そっか~、そりゃぁぁかわいそうだなぁぁ」


金髪オールバック男は心底面白そうに俺に向かって言い放った


「テメェの事をこの世から消してくれって頼まれちゃったもんでよぉ」


「しかたなぁぁく!な?わかるよな?てか、わからんでもいいけどなぁ~(笑)」 

            

俺は意味もわからず呆然としてしまった・・・


明らかに意味不明すぎるこの目の前の男達に・・・


何故俺が殺されねばならないんだ!いったい俺が何したってんだよ!!!!


そうして金髪オールバック男の右にいた茶髪の男が。

   

「神埼さんそろそろ殺っちまいましょうよ、約束の時間まであまりないですよ?」

 

すると金髪オールバック男、神埼(かんざき)と呼ばれた男は茶髪男に笑いながら言った


「おう、そんな時間かぁ、じゃぁそろそろ利賀くんには死んでもらいましょっか!」


俺の方を向いて満面の笑顔で死刑宣告を言い放った


俺は神埼に土下座の格好を取りながら叫んだ


「何でもしますからっ!!!どうか命だけは助けてください!!!」


神埼は冷めた目で俺を見下ろして残酷な言葉を言ってきた


「利賀くんさぁ・・・惨めだねぇ、お前の死はもぉさあぁ決定だから諦めちゃって~~~よぉ~」

   

俺は絶望した・・・・こんな訳もわからず死ぬなんて・・・・


本当に・・・・


いったい何があって俺は死ぬ事になったのか・・・・


心当たりは全く無い・・・人に殺される程の恨みをかうなんてこれっぽっちも本当に無いんだ・・・・


呆然としてる俺に神埼以外の奴等4人が一斉に何かを投げてきた


「がああああっ!!!いっ!!!!ぐぼっ!」


黒い丸い何かが俺の腹や肋骨に顔面を直撃した


そして耳に当たった黒い鉛の様な物の一撃で意識が飛びそうになりその場に倒れた


俺は意識が朦朧とする中、黒い何かを見つめ・・・


あれは・・・魔石???・・・・・

   

そうして俺の意識は完全に無くなった・・・・・・・・・・


茶髪男が神埼に敬礼をしながら真面目な顔で


「神埼さんお疲れ様でした、これであの方からの指令はクリアです」


神埼はつまらなさそうに


「おぉ、大田ぁ~後処理はおめぇがやっとけよぉ~」


「はい、もちろんです。おい、高下・月山・合田お前等もここに残っていけ」


3人に大田は指示を出して死体に向かって手を合わせた。


「あんたも不運だったな・・・まさか自分の家の下にダンジョンができてたなんてな・・・・」


と、大田は心底同情したように言葉を残し・・・利賀 英二の骸を4人で処理した






 時代は2055年、2008年に世界に突如としてダンジョンなる異世界の代物に混乱をもたらされた



それは恐ろしくもありロマンに満ち溢れ・・・・


世界中の人々は秩序を取り戻すべくダンジョンへ潜ることになった


ダンジョンは無法地帯、容赦なく人間の命を奪う・・・


しかし、人類はダンジョンにて新たな可能性を手に入れることになった

・     

それはスキル・・・・・・魔法などの超能力・・・・


そして魔石・・・・・魔石の他にもさまざまな資源・・・


そして・・・・それを手にした人々は富や権力・・・さまざまな物を手に入れる


利賀 英二はそう言った手に入れた者達の勝手な都合で人生の幕を下ろしたのだ



英二はふと目を開けた・・・・


「ここは・・・・真っ暗で何も見えない」


「俺はやはり殺されたのか?」


「身体は・・・・??????」


英二は自分の身体が無い事にきづいた



「ここは・・・・死後の世界ってやつか・・・・」


死んだら本当は何にも無いんだな、と思いながら想いにふける




すると、目の前に目がくらむ程の光が差し込んだ


その光から何かとても温かい気配がして、、、


英二はお迎えでも来たのかと思っていた


「そっかぁこれからあの世にいくのかな~」


すると光の中の何かが英二に語りかけてきた


『貴方の魂はまだあの世には行けませんよ?』


「うぇっ!?」

     

英二は突然の声にびっくりしてしまいどこからだしたかわからない声を上げてしまった・・・様な気がした。


身体が無いのである


『貴方、利賀 英二としての肉体は無くなりましたが、魂は無傷です』

   

『本当は肉体が死ねば魂も死ぬのですが・・・・』


『どうやら死の原因が魔石によって歪められたのかもしれませんね』


英二は自分の死ぬ間際を思い出した・・・

   

「魔石で殺されたらみんなこうなるんですか?」


光に向かって疑問をぶつけてみた


『いいえ・・・そもそも魔石にそのような力は本来ありません』

『魔石とはエネルギーの塊、もしかしたらそのエネルギーが貴方の意思に反応したのではないかと思います』


ん~~~~・・・・意思・・・か・・・でも確かに死にたくないと強く思ったし、許せないとも強く思ったと思う・・・


あんまり自信はない、なんせただただ必至だっただけである


英二は自分の事なのにどこか他人じみた反応で黙ってしまった・・・


『死んで意識があると言うことが非常に不味い事なのです、死ねば皆意識は無く・・・そもそも死とは無なのですから』


『貴方にわかりやすく言えば、死んですぐ無になりそしてその魂は新たな肉体に宿ります』


輪廻転生ってやつかな?と英二が思うと


『そうですね、そういう感じの物だと思ってください』


うっ!!心?あれ?声出してるのか俺???わかんないなこの状態!!!


『落ち着いてください、私は貴方の世界でいうところの神です』


『そして貴方の声は聞こえてますよ・・ふふふ』


神様だった!!!だよね・・・・普通そうだよね・・・


「ちなみに神様!私はどうなってしまうのですか?」


英二は自分がイレギュラーな存在だと認識して恐くなってきた


『貴方は・・・この虚無の世界から輪廻の輪に戻ることはできません』


英二はそれを聞いてまたも絶望・・・いや、呆れに近い感情に支配された


『しかし、今から別の肉体に宿る事はできます』


「え?」


英二は訳がわからず混乱してしまった


「別の肉体とは他人になるということですか???」


『そうです、そしてその肉体とは心が死んで魂だけがこちらにくる特殊な身体です』


英二は少し沈黙したのち・・・


「私は元の世界に帰れるということでいいのでしょうか?」


神と名乗る光ははっきりと英二に告げた


『そうです、そして貴方に一つお願いがあります』


「なんでしょうか・・・」


神様からの願い事なんて超難題な気がしてならないが・・・


『元の世界に戻った後、世界に歪みをもたらしている人間達を止めて欲しいのです』


英二は絶句してしまった・・・


「そ・・それはとても自分には無理ですよ・・・相手がどんな人間か、そもそも私に力はないですし・・・・」


『貴方はすでに力を得ています。それはとてつもなく大きな力です』


神様から大きな力があると言われ、英二は口を開けたまま固まってしまった。様な気がする、、、身体ないもんね


英二は力があるなら・・・・・・・いや、神様からの頼み事をやってみようと・・・・思わなかった


「神様、申し訳ありませんがその・・・申し訳ないのですが・・・・私は力を得てしまっても。きっと・・・・復讐に使ってしまいそうです」


『それでかまわないのですよ?そもそも貴方の復讐対象が歪を生む原因の一つですから』


『大いに暴れなさい、そして世界の歪みを正して次は輪廻の輪に乗ってください・・・結構大変なのですよ?労働時間外勤務ですよこれ?』


神様は結構怒っていらっしゃる模様・・・



「神様、私にはどんな力があるのでしょうか。それが分からないとどうしようもないのですが・・・」


『貴方が死んだ原因の魔石が5つ、その膨大なエネルギーが貴方の魂と融合しています』


『詳しく言えば、ダンジョンでいわゆる無双できちゃうレベルの力だという事・・・魔法、身体を強化、思考加速、無限の倉庫・・・


 そして・・・・最後は全てのダンジョンに・・日本なら一度入らなくても自由に出入りできるテレポートのような力』


 英二は思考が止まった・・・もはや理解はできない・・・・当たり前である、死ぬ前はダンジョンとは無縁な一般人である


その力は世界を壊すこともできそうなくらい強烈で異常な力・・・・


「か・・・神様それって冗談ですよね?笑」

      

『いえ、ガチですよ?、むしろこれくらいないと死にます』


それを聞いて英二は驚いた


「ええええ!」

   

『相手はダンジョンで好き勝手やりたい放題の強者達です、それを相手に一人で立ち向かうならこれでもちょっと危ないかもしれません』


それはなんとも言えない・・・絶大な力と言われたような・・・死んじゃう可能性あるんだ・・・と英二は身体が無いのにお腹が痛くなってきた気がした


『大丈夫ですよ、貴方が強くなれば良いのです、レベルを上げ、高みを目指しなさい』


そうか!英二は思い出したように・・・


ダンジョンは人間を強くする、ゲームのようにレベル等が存在するのだった


「神様、私はやってみます・・・理不尽に奪われた命の代償を奴等から取り立ててきます・・・」


『ええ、好きなように生きて復讐を果たしなさい、そして・・・・・・・』


神様が言い終わる前に瞼が・・・視界がぼやけてきた・・・・


 そして。。。。。

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