第9話 私と貴女⑨

とても似合っていて可愛らしいです。

靴を履き玄関を出ると、外は快晴でした。

絶好のお出かけ日和ということでテンションが上がってきますね!

まずは駅に向かって電車に乗り、そこからバスに乗る予定になっています。

道中、他愛のない会話をしながら進んでいきました。

しばらく歩いているうちに目的のバス停に到着しましたので降りることにします。

階段を下りて少し歩くと見えてきましたので、目的地のショッピングモールに到着です。

中に入ると真っ先に洋服屋さんへ向かいます。

店内には様々な種類の服がありますが、特に目を引くものが一つありました。

それは、下着コーナーです。

色とりどりのブラやショーツが並んでいる光景はとても刺激的でしたし、見ているだけで興奮してしまいますよね?

しかし、今は我慢しなければいけませんのでぐっと堪えて商品を手に取りました。

サイズを確認して購入することにしました。

その後は、他のお店を見て回りましたが、特にこれといったものはありませんでしたので昼食を食べることにしました。

フードコートでそれぞれ好きなものを注文して席に着くと早速食べ始めます。

私はパスタを食べましたが、とても美味しかったです。

デザートにプリンを食べて満足しました。

食後は、また買い物をしたりゲームセンターに行って遊びました。

特にプリクラは楽しいです。

色々なポーズをとって撮影するのですが、どれも面白くて笑ってしまうんです。

最後に、もう一枚だけ撮ろうということになったので、二人で寄り添って写真を撮りました。

その写真を見た瞬間、胸がドキドキしてしまいましたが、なんとか平静を装うことができました。

その後は、特にすることもなくなったので、帰りのバスに乗って帰路につきました。

家に着く頃にはすっかり日が暮れていました。

玄関の鍵を開けて中に入ると、彼女が声をかけてくれるのです。

「疲れているよね、私が晩御飯作るよ、食べた物はあるの?」

そう聞かれたので、正直に答えることにしました。

「うん、フードコートで食べたけど、全然足りないかも?」

そう言うと、彼女は苦笑いを浮かべて、

「そっか、じゃあすぐ作るね、何が食べたい?」

と尋ねてきましたので、リクエストをしました。

しばらく待っていると、美味しそうな匂いが漂ってきました。

テーブルの上には、ハンバーグとサラダ、スープなどが並べられていました。

どれもこれも、本当に美味しそうです。

早速頂くことにしましょう。

フォークで一口大に切って、口の中に運びます。

噛む度に肉汁が溢れ出てきて、幸せな気分になります。

夢中で食べ進めていると、あっという間に完食してしまいました。

食後にデザートとしてアイスクリームを出してもらい、舌鼓を打ちました。

幸せ過ぎて、思わず涙が出そうになりましたが、ぐっと堪えました。

片付けが終わってから、彼女と一緒にソファに座ってテレビを見ることにしました。

バラエティ番組では、芸人さんが面白いネタを披露していましたが、あまり笑えませんでした。

というのも、隣に座っている彼女の方が気になってしまうからです。

肩と肩が触れ合う距離にいるせいなのか、妙に意識してしまいます。

どうにか紛らわそうとして、チャンネルを変えようとリモコンを操作しようとした時、不意に手が触れ合ってしまいました。

その瞬間、心臓が跳ね上がるような感覚に襲われました。

顔が熱くなるのを感じます。

慌てて手を引っ込めると、彼女は不思議そうな表情を浮かべていましたが、何も言わずにチャンネルを変えてくれました。

その後も、何回か手が触れてしまい、その度にドキドキしてしまいます。

そのせいで、内容が全く頭に入ってこなかったのは言うまでもありません。

番組が終わり、CMになったところで、彼女が話しかけてきました。

「そわそわしているけど、大丈夫?」

その問いかけに対して、首を縦に振りました。

しかし、本当は全然大丈夫ではないです。

何故なら、さっきからずっと身体が火照っているような感覚に襲われているからです。

その理由はもちろん、隣にいる彼女が原因なのですが、それを伝えられるはずもなく、黙って俯いてしまうのでした。

すると、彼女は察してくれたのか、頭を撫でてくれました。

優しい手つきで、ゆっくりと髪を梳くように動かしてくれます。

それがとても気持ち良くて、目を細めてしまいます。

しばらくの間、そうしていたのですが、次第に眠くなってきてしまったようです。

気づいた時には、すっかり瞼が閉じかかっていました。

このまま眠りにつこうとした時、彼女が耳元で囁きました。

その言葉を聞いた途端、急に意識が覚醒しました。

何故なら、彼女の口から出た言葉が、あまりにも衝撃的だったからです。

その内容とは、なんと私を抱きたいと言ったのです。

当然のことながら、私は困惑しました。

だって、今までそういったことはしたことがありませんでしたし、そもそも同性同士でするものなのかどうかも分かりません。

しかし、断る理由も特にないので、承諾することにしました。

そうすると、彼女は嬉しそうな顔をして抱きついてきたので、私も抱きしめ返しました。

そして、そのままソファに押し倒されてしまいました。

そのまま、しばらく見つめ合っていると、唇を塞がれてしまいました。

最初は軽く触れるだけのキスでしたが、次第に激しさを増していき、舌を絡ませ合う深いものへと変わっていきました。

息が苦しくなり、一旦離れようとしたのですが、後頭部を押さえつけられているせいで逃れることができません。

さらに、両手もしっかりと押さえられている為、抵抗する手段も失ってしまいました。

このままではまずいと思い、必死になって訴えかけようとしますが、その声も届くことはありませんでした。

それどころか、逆効果だったようで更に激しさを増していく一方です。

息も絶え絶えになり、意識が朦朧としてきたころ、ようやく解放されました。

咳込みながら呼吸を整えていると、彼女は申し訳なさそうな顔をしていました。

謝罪の言葉を口にしますが、それでも許す気にはなれませんでした。

というのも、今だに身体の奥底から湧き上がってくる熱が収まらないのです。

どうやら、先程までの行為によって興奮してしまっているようです。

それを悟られたくなかったので、必死になって隠そうとしました。

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