に じ い ろ 〜先輩、ずっと……好きだったよ。〜

ayane

プロローグ

 瞼を閉じると思い出す。

 あの日のことを……。


 私は……。

 あの夜から、ぐっすり眠ったことがない。


 ――先輩……。


 ずっと……好きでした。


 ――先輩……。


 さようなら。


 

 母と暮らすマンションの屋上。

 腰までの高さしかない低いフェンスを乗り越えた。


 地上を行き交う人々が小さく見えた。


 風がユラユラと……。

 私の体を揺らした。


 木の枝に残る枯れ葉ように、私の体は今にも風に飛ばされそう……。


 この苦しみから……。

 解き放たれたい。


 ――そう思った時……。

 目の前にスーッと虹が現れた。


 七色の淡いパステルカラーが、雨上がりの空に広がる。


 溢れた涙が……。

 虹色に染まる。


 そばにいきたい……。

 あの虹のそばに……。



 ――私は……。


 両手を広げて……。


 瞼を閉じた……。

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