エグゾフレーム・クロノス
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エグゾフレーム・クロノス
第1話:零式起動<ゼロ・シキ・キドウ>
西暦2048年。人類は、突如として地球上に現れた異形の生命体「ヴァージン」の侵略に晒されていた。通常の兵器が全く通用しないヴァージンに対抗するため、国連は極秘裏に開発を進めていた有人型巨大機動兵器「エグゾフレーム」を実戦投入する。
主人公、カイト・アスカは、エグゾフレームのパイロット候補生の一人だった。幼い頃から天才的な操縦センスを見せていたカイトだが、彼の心には常に拭い去れない影があった。2年前のヴァージン襲撃で、両親と妹を亡くしたのだ。彼は復讐のために、ただひたすら強さを求めていた。
訓練最終日。カイトは教官から、他の候補生とは異なる特別な機体の操縦を命じられる。その機体は、黒く染められた異様な外見を持つ「エグゾフレーム・クロノス」だった。通常の機体とは比較にならないほどの性能を秘めているが、その制御は至難の業だという。
「なぜ俺がこんな機体を?」カイトが戸惑いながら尋ねると、教官は静かに答えた。「君は、この機体のシステムに最も高い適合率を示した。そして、この機体は、君の復讐心と共鳴する……」
クロノスに乗り込んだカイトの視界に、無数のデータが流れ込んでくる。まるで機体が、彼の心を読むかのように。その時、警報が鳴り響いた。大規模なヴァージンの群れが、訓練基地に向かって進攻しているという。
「実戦だ。カイト、準備はいいか?」
教官の言葉に、カイトは静かに頷いた。彼の胸には、復讐という炎が燃え上がっていた。クロノスのコックピットの中で、カイトは無機質なレバーを握りしめる。
「――起動、エグゾフレーム・クロノス!」
カイトの叫びと共に、漆黒の機体は静かに、しかし確かな存在感を放ちながら、夜の闇へと飛び立っていく。それは、人類の希望となるか、それとも破滅の引き金となるのか。物語は今、始まったばかりだった。
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