第5話これは、フィクションです!

 嘲笑を勘違いしたヘルメースは、


「私は、いうなれば、水星神メリクリウス火星神マーズではないっ!!」


 と激昂するのを聞き入れながら、俺は、ルネッサンス期のダビデ像のモデル、古代希臘ギリシャ神の彫像を見れば……だいたい理解できる。

 下半身、事情……?

 そのくせっ!道祖神みたいな『陰陽石ファルス』に自分のイチモツを巨大に虚飾して祀らせてる!?


「この変態がーっ!!」


 とつい、飛び上がり様、ヘルメースの延髄を思いっきり!

 鋭角に右足で蹴り抜いた!!

 ヘルメースは、目に☆☆が見え、星がぐるぐる回っている。

 膝を折り、前のめりになろうとするのを堪えたが返って反動で思いっきり、地面へ後頭部を打ち付けた。

 『カドゥケウスの杖』の生死を逆転させる権能で蘇生させながら、自ら、また、相手を死にかけさせてしまった……まぁ〰すぐに生き返るけど!

 仰向けに、下半身剥き出しのまま……昏倒しているヘルメースの耳元へ近寄り、よせばいいのに 、


「あー、アフロディーテ様があられもないお姿でまた水浴びしているっー!?」


 悪戯に囁くと、むっくりと彼の倅が起き上がった!

 つい、愉快になってしまい!


「ゲー様まで、まっー!はしたない?キトンから、ハミ出てらっしゃいますー!?」


 とヘーラー妃の近習の下級女神ニュンペーの声色に変えて、続けると……意外にも、萎んでしまった?


「あっれー?ヘーラー妃が授乳為さってらっしゃる?」


 もし、これで反応したら……、


“こいつ、ヤバイ、救いようがない!”


 とわかりながらも囁いてみると……む、剥けるほどそそり勃ち、大人の親指大にモノを滾らせ苦悶の表情を見せている。


“こっこいつ、モノホンの……HENTAI!だ!!”


 最初は……親父の伝手で口説き落とした相手。

 二番目は……曾祖母にあたるから当然か?

 三番目は……赤子のとき授乳させてもらっていた……継母!?

 部外者だからか?イザナミ様は、逆に冷静さを取り戻した。

 養母ゲーからは、


“何……いらぬ戯言で遊んでいるこのバカ息子〰!”


 と冷たい視線を背に浴びていた。


「土蜘蛛衆、このバカをそこへ縫い付けろっ!!」


 号令のもと、ヘルメースのまわりをすぐさま、手足が異様に長く、角髪ミズラに結った頭髪、貫頭衣を纏った男衆が昏倒しているヘルメースを囲い、頬が裂けるほど口を開け、糸を滝のように吐き出すとヘルメースの体を糸に絡め、蚕の繭のように糸に巻き、地に縛りつけた!!

 そこへ、山のように大きな男(顔が闇に包まれていても双眸から放たれる眼光は鋭い!)が鉾を構えながら近づき、繭の口に当たりだろう箇所めがけて鉾を一閃!

 開いた切り口からヘルメースの口が覗き見える。

 せめて息が出来るようにとの男の気遣いだった。

 ようやく、息を吹き返したヘルメースも口を大きく開け閉めして呼吸を荒げながら、


「物申ーすっ!θΛΞ☆!!」


 と叫びきる前に鉾の石突を口へ突っ込まれて、言葉も途切れ歯茎から歯が折れ塞がれる。

 大男の部下とみられる兜と鎧を着込んだ兵達にヘルメースは肩に担がれどこぞかに連行されいった。

 いつの間にか、大男も、土蜘蛛衆まで神殿前から姿を消し、残されたのは、イザナミ様、ゲーお姉様に……俺だけ?

 本能からか?また俺は、白い狼に変化すると地を背にヘソ天の服従のポーズで横たわった。

 もし、この2女神の気分を害したら……即死!どころか!!魂魄さえ消されかねない!?


「あのヘルメースがここまで侵入して来たのは、何でかしら?」


 とイザナミが呟く。


「西の冥王ハーデースの神器“κυνέηキュネー”『隠れ兜』を持ち出して、姿を隠してたんでしょうよ?」


 と俺の傍らにある兜を拾いあげながらゲーが答えた。


「貴方は、十二分に罪は償ったはず、この地だからこそ、荒御魂を鎮めて、和御霊を宿すようになれたのに……あの痴れ者がーっ!!」


 とイザナミ様に俺への慰みとヘルメースへ怒りが込み上げた言葉に……死者になってしまった俺は何も答えられなかった。

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