第6話天狗の心

人間は成功していると、成功の中に失敗があり、挫折があり、苦悩があり、心折れる状況が何度もあり、それを乗り越えてきたから成功なんだけど、成功が続くと自分が一番という錯覚と幻想が心をシェアしてくる。そうすると、成長は止まる。川でなくなる。河でなくなる。なぜなら頂点を極めたというのは、それ以上上はないということ、限界はない。無限はないということになるからだ。


どんな状況になっても、どんな状態になっても、人間には常に無限の可能性が広がっている。無限の可能性の入り口は大きすぎて、扉とわかるほどのものは見えない。頂点に立った時に、その人には無限の可能性が絶たれるのだ。そこには、もう転落しかない。人間の環境はさまざまに変わる。流れ続けていれば、水はその環境に合わせて形を変えて対応する。


しかし、頂点に立ち、動けない状態になっていれば、その環境の変化に対応できずに、その頂点が足元から崩れていく。だから天狗になることは転落することを意味する。



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