私がいかにして小説を書けるようになったか、という話
ぴのこ
はじめに
初めまして。ぴのこと申します。
このたびは私の最後の作品に目を通していただき、誠にありがとうございます。
最初に、自己紹介をさせていただきます。
私は昨年の六月より、カクヨムを主な舞台として小説を投稿している者です。カクヨム上ではホラー小説を中心に、Twitterアカウントのほうでは“トドノベル”という題材での作品を公開しています。
この一年余りで書いた作品数はカクヨム内外を合わせて合計百作を超えますし、文字数にすると四十万字にのぼるでしょうか。
それだけの数を書こうと思えたのも、ひとえに応援してくださった方々のおかげです。この場をお借りして、心から感謝申し上げます。
実は、私が小説を書き始めたのは昨年の夏のことでした。それまでの私は掌編小説すら書かない、いいえ書けない人間だったのです。
小説のアイデアが何も浮かばない。構成が全く練れない。せめてワンシーンでも書こうとキーボードを叩いても、毒にも薬にもならない程度のつまらない文章が続くばかり。
小説以外の文章でもそうです。私が書く文には少しの輝きも無い。人の心を掴むものが何も書けない。そんな文才の欠片も無い人間であり、そのことに痛烈なコンプレックスを抱いておりました。
なぜ自分は何も書けないのかと。なぜ自分には才が無いのかと。そんな怨嗟ばかりを吐き出すだけの人間でした。
そんな私がどうして突然に、たった一年で四十万字以上も書くほどになったのか。どうして膨大な数の作品を生み出せたのか。今回こうして言葉を綴るのは、その理由をお話しするためです。
まず、白状しておかなければならない話があります。
私はこれまでの執筆活動の中で、何一つ努力をしていません。
小説の構成を作り込み、文章表現を考え抜く。思考の果てに言葉を選ぶことを繰り返し、何千字、何万字と綴る。そうして創作の苦しみに耐えながら作品を作り出す。
そういう他の作家様たちが当たり前に行っている研鑽を、私は何もしていないのです。ただパソコンの前に座ってキーボードを打ち込むだけの作業を、努力と呼べるでしょうか。
私は、ズルをしたのです。
楽をすることを求め、超常の力を借りてしまった。自分にはどうせ才能が無いのだからと、真っ当に努力する道から逃げてしまった。ウェブ小説作家を名乗る資格すら無い、人として恥ずべき卑劣な人間。それが私です。
地道に執筆を続けてきた方々と肩を並べる資格もありません。こうしてカクヨムで文章を綴ることすら、今すぐにでも止めるべきだと本心ではわかっています。
しかし、それでも書き留めておきたい。書くことで、私という人間が存在した証をこの世に残しておきたい。せめて一矢報いてやりたい。その思いから、これを書き始めました。
これは、昨年の五月から現在に至るまでの、私の身に起きた出来事を綴った記録になります。
作中に出てくる記事などは当時に保存していたもの。しかしそれ以外の文章は、当時の記憶を元に今年の九月中旬から書き始めたものです。
私には時間が残されていません。これを書き終えた後、私はこの世から消え去っているでしょう。
本作に感想をいただいても、私がお礼をすることはできません。その点に関しては心より申し訳なく思います。
それでもよろしければお読みいただけますと幸いです。
最後に、全ての創作者の方々へ謝罪させていただきます。
創作を冒涜するような行いをしてしまい、大変申し訳ございませんでした。
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