つづき

少し時はすぎ

 僕は15歳になった

 ローニーなんかさ男っぽくなっちゃってさ

 僕も髭生えるようになったしね!

 恋心なんてーのも本でよんだ

 本のなんか役立たないぞ?

 ローニー実は手前の町で 恋人が出来てキスしたんだって

 うー?

キスねー?

 もっとしてってさ部屋に誘われたけどさ

 俺無責任なの嫌いだから

 豪快にボリボリ頭かいている

 その首すじに 赤い華のマーク

「そんなのつけてさ……」

ほんとにがまんしたの?

 顔を覗いてやれば

 まあな?

 ごまかされた!

 街道を行く

 近場にガイナという街がある

 と あかい服を着た女性が 右足を 引きずって歩いている

「だ……大丈夫ですか?」

 一応僕も声変わりしたんだぞ

「あ……足挫いちゃって」

 わあ!

 素敵なひとだ!

 踊り子さんかな?

 ロマとはぐれたんですか?

「はい……」

 でも

 きゅ……

 僕のシャツを握る

 一緒にいさせてください

 ?

 ローニーが ジロリと 彼女を見た

 名前は?

 ステラ……

 くっ……僕に体をよせてくる

 大きめの胸が僕の胸にあたる

 どきんとした

「ステラ!馬に乗るか」

 ローニーが いらついたようだ

 いいの!

 こうしていたいから

 嫌な予感がする

 ローニーは くっと唇をかんだ

 旦那様お名前は?

 !

 名乗るな!

 耳打ちされる

 いや

 名乗る程の者では

 ならば旦那様ですね

 ウインクされる

 ますます

 嫌な予感が 強まるローニー

 手綱をギリとにぎった

 

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