たとえ世界がひっくり返っても
- ★★★ Excellent!!!
優秀賞おめでとうございます。
王子様が振りまく薔薇を、一人で回収し続ける不器用な森本さん。
誰もが踏み潰す「幻想の残骸」を慈しむ彼女の優しさと、矛盾した恋心に胸が熱くなる。
五感を刺激する鮮やかな描写で、焼きつくような火傷の痛みや甘い香りがリアルに伝わり、「ときめきで現れ、想いが通じれば消える」薔薇の真実が明かされるラストは圧巻。告白の言葉さえ不要なほど、点滅する薔薇の光が二人の相思相愛を美しく証明していた。