第九話 変わらないしーちゃん
ましろちゃんがお手洗いの行ってしまって、私は元カノの高橋紫音、しーちゃんとふたりで待たされることになってしまった。
私が先にデート行くって言ったのに、なんでしーちゃん連れてくるの……
ましろちゃんは私がしーちゃんと付き合っていたことを知らないから仕方ないけど、しーちゃんじゃなくても他の女の子を連れてくるのはどうなんだ。
ましろちゃんの私服姿を独り占め出来ると思ったのに、元カノとふたりきりにされるのはつらすぎる。
いまさらしーちゃんと話すことなんてなんにもない。
「実は私ましろちゃんと付き合ってるんだよね」
冗談をよく言うのは変わってないみたいだ、眼鏡忘れたって嘘をついて抱き着いてきたこととかあったな。
「冗談はやめてよ。しーちゃんは変わってないな~」
「ほんとだよ?私の香水の香りとかしたことなかった?」
確かにしーちゃんと同じ香水の香りがしたこともあったけど、だからって付き合ってるとは限らないだろう。
「部活が同じだったらそういうこともあるでしょ」
「じゃあましろちゃんとハグしたことある?」
ハグなんて付き合ってないのにしたら訴えられるに決まってる。
『ましろちゃん嫌って言ってなかったじゃん』
『私は嫌だったんですけど口に出したらもう仲良くしてくれないと思って……』
首をぶんぶん振って思考をリセットする。
「ないけど……膝枕なら!」
「膝枕なんて設置面積ほんのちょっとじゃん!たまには大胆な行動も大事なんだよ」
「嘘ついてるでしょ!しーちゃんがそんなことできるわけないじゃん」
教室の隅っこで本ばっかり読んでたしーちゃんがそんなことできるわけない。
「ほんとなんだよね~疑ってるなら本人に聞いてみたら」
自身満々に胸を張ってそんなことを言ってくる。
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