どうやらこのクール系女子は私のことが好きらしい

SUN

第1話 どうやら朝になったらしい

ジリリリリリリリリリ!!!

「うるさいなぁ、あと5分だけ、、、」

目覚まし時計の音で起こされてしまった私は再び眠りにつこうとして、、

「お姉ちゃん!!!今日は入学式でしょ!!!早く起きなよ!!」

聞きなれた声が聞こえてくる。妹の声だ。

「起きてるよぉ」

「嘘だ!寝直そうとしてたじゃん!」

 朝から妹に大きな声を挙げられている私は、

 佐倉 結衣という名前の少女だ。普通の家庭に生まれ、普通の、良い両親を持ち、生意気だけど可愛い妹がいる、至って平凡な、いや恵まれている少女なのだ。

そんな私も今日から高校生だ。地元の中学とは少し離れている、偏差値の少し高い高校に入学する。私は頭があまり良いとは言えないが、そこの高校の制服がとてつもなく可愛いので柄にもなく勉強を頑張り、無事合格。そして今日が入学式なのだ。

「とにかく、早く起きて1階に降りてきてよ!朝ごはん出来てるみたいだから。」

妹に急かされ、布団から起きる。とりあえず着替え、学校に行く準備をしなければ。そんな私の着替えの手が止まり、、憧れの制服を着ることが出来て感動しているのだ。いかんいかん、妹にまた怒られてしまう。なんとか感動を抑えリビングに向かう。

「あら〜、制服、似合ってるじゃない。ねえ、あなた。」

 と、キッチンから聞こえる声は私の母親だ。

 母親はとても優しく時には優しくとにかく優しく私を育ててくれた。まあ私は甘やかされて育ってしまったみたいだ。そのせいで母親よりも妹に叱られることの方が多い気が、、一応お姉ちゃんなんだよ?

「ああ、可愛いぞ結衣。」

 リビングのテーブルから聞こえるのは父親の声だ。

 うん、父親もとても優しい人だ。でも母ほどの親バカでもなく、叱られることもしばしばあったなぁ。

「うん!ありがと!朝ごはん貰うね!」

「ゆっくり食べなさいよ。」

「ゆっくりなんて出来ないよ!今日は入学式だよ!」

「朝起きれてなかったくせに、、」

 妹になにやら言われた気がするが気にしないことにしよう。朝ごはんを素早く食べ、朝の準備を済ます。今日は入学式を行った後にオリエンテーションとやらがあるだけみたいなので、授業はないのだ。教科書を持つ必要は無い。

学校から支給されたバッグを手に持ち、お気に入りの靴を履く。バッグにはお気に入りの猫のキーホルダーを装着済みだ。

「それじゃ、行ってきます!!」

私の高校生活がいま、始まるのだ!


まあ、家を出ただけなんですけど、、。さて、この辺で私の通う高校を紹介しよう。私が今日から通うことになる桜華女子学院は名前の通り女子校である。名前から格式高いオーラが滲み出ており、所謂お嬢様とやらが割といるらしい。その割には偏差値がべらぼうに高い訳でもなく、私のような一般人が足を引っ張っているのだろうか、、。

家の最寄り駅から電車で3駅の桜華学院前駅まで乗り、そこからはほぼ目の前である。

さあ、こんどこそ私の高校生活がいま、始まるのだ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る