軽い気持ちでイタズラしたら殺されそうになった話

利楽山

第1話

「なんか面白いことねぇかなぁ」



たけしが石をドリブルしながらそう呟いた。


いつも通っている学校の帰り道で、何回も繰り返してるこの件こそが長かった学校での時間の終わりを感じさせる




「つまんなくはないけどスリルがないんだよな」

そう言いながら蹴った石は側溝の中にぽちゃんと音を立てて見事シュートしてしまった。



スリルっていってもなぁ・・・



ハラハラする緊張感なんて小学生の自分達がそんなものを求めたところでたかが知れてる。




タケシと僕はスリルがありそうなことは大体試してきた。




陰気なクラスメイトにイタズラしたり、駄菓子屋で万引きしたり、テストのカンニングや道端に落ちてるエロ本を読んだりと色々試してきたがどれも満たされなかった。




お陰でタケシと僕は立派な非行少年予備軍として有名だ。学校の中ではちょっとしたワルで名が通っている。



保護者達も警戒して自分達に子供を近づけないようにしてるのも知っていた。




それでもタケシと過ごすのは楽しかったし、かけがえのない友達だと思っている




タケシの文句に曖昧な相槌を打ちながら歩いていると左手に大きな二階建ての家が見えた。


グレーを基調とした立派な家だった。



家の表札に「田中」と書いてある。



羨ましい。純粋にそう思った。



自分とタケシは団地暮らしで狭い家で窮屈な生活をしている。なので一軒家の広い家に憧れをもっていた。



こんなデカい家に住めたらなぁ


そう思いぼんやり家を見上げていたら・・・

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