第12話 マチル襲撃②

タタッ


私ことリイ、そしてピーちゃんは闇夜を駆け巡る。


「ピィ!」


ピーちゃんは吸血鬼の発見と共に方向を指す。


低級。つまりは核の場所は左胸で確定だ。


ズドンッ!


ある程度の距離を置いて狙撃。絶命させる。


ドゴオオオオオオオオオッ!


彼方此方で戦闘が起こっている。

戸惑う者達の悲鳴が聞こえる。

今、自分ができるのは避難させる事だ。


「助けて!」


子供の泣け叫ぶ声がする。

コクリと頷く。

ピーちゃんはそれを読み取りその子供の場所へといち早く駆けつけていく。


「ジジジジジジジッ!」


敵は超音波により拘束。

その隙に吸血鬼の核部分を打ち抜く。


「おねぇちゃん、助けてくれたの?」

「そうだよ。もう安心だからね」


シェルターまでは近い。

早く送り届けよう。


「ッ!?」


血液硬化!


ズズズッ!


少し押される。


「グアアアアアッ」


上級……ッ

それも子供のいる中でとなると尚更厳しい。


「君……1人であのシェルターに行ける?」

「……」


怖がる少年。

無理だと判断し、守る事を決意する。


「ちょっとだけ離れておいてね」


銃を構える。


ビュン!


敵の急接近。


だが、血液加速で足をすぐさま発光させて


タタッ


最小限の動きでパンチを避ける。


「!」


そして次は手を発光させる。


ズドンッ!


脳のど真ん中に一撃を撃ち込む。

防御力の低下。すぐさま


ズドン!


冷静に、もう一撃を核へ送り込む。


「凄い!」

「ふぅ……」


絶命したと思っても最後まで動くのがコイツ。


ドンッ!


もう一撃を撃ち込んで完全に殺す。


「凄いね!」

「じゃあすぐに行こうか」

「うん!」


少年を担ぐ。

軽い。これならほぼ全力で走れる。


「グアアアアアッ!」

「ヒェ!」


途端、吸血鬼が物陰から出現する。

冷静に。私が怖がらせてはいけないのだから。


「コウモリ列車、発車いたしまーす!」

「え?」


バビュン!


血液加速を足に付与して走り出す。


「はやーい!列車はやーい!」


怖がっていた少年の顔は少し安心している。


「ちょっと早くなるよー!」

「やったー!」


襲いくる吸血鬼をうまく避けてシェルターへと接近していく。


「おねぇちゃん横!」

「フン!」


腹に足をめり込ませて吹き飛ばす。


「おお!」


そしてまた加速する事で漸くシェルターへ辿りついた。


「お願いします」

「はいよ!」


預けて終わりじゃいけない。

今回を糧にもっと成長しなくては!


クンッ


ビユマさんの様に匂いを嗅ぐことにより吸血鬼の場所を調べていく。


「……何かくる?何処から?」


近い……周りを見渡すが何処にも……


「え?」


下に影が見えて咄嗟に上を向くと巨大な何かがいた。


「死……」


ドゴオオオオッ!



「ぬところだったぁ」


咄嗟に足を動かして避ける事に成功した。


落ちてきたのは肉塊。

相当大きいサイズだ。


「何処から……」


その時、青髪の男を見た。


「無事だった?」

「あっはい」


どうやらこの男が飛ばした様だ。


「この肉塊は一体……」

「あぁ、子爵級の腕だよ」

「まさか討伐したんですか?」

「うん。あっお詫びとして、それ食べていいよ」


いくら一番下であろうと爵位持ちだ。

相当なパワーアップができる。


その血を全て吸い込む。


『こちら本部。結果を報告する。男爵3体。子爵2体。伯爵1体。侯爵1体の爵位持ちが合計7体。その内男爵2体討伐済み』

「了解」


「じゃあ頑張ってね」

「はい……」


青い髪をたなびかせて屋根をつたって消えていった。


---

(ビユマ視点)



「グアアアアアッ!」


侯爵級の吸血鬼は大きな声をあげる。


「来るぞッ!」


飛び上がり、地面に向けて拳を振るった。




ドゴオオオオオオオオオッ!


途端に地面が抉れて、強い重力がかかる。


「血液硬化ッ!」


でなんとか体勢を保つ。


「あがッ」


カサは白目を剥いて気絶している。

相当な威力だ。


「チッ」


やべぇな。家がぶっ壊れた。


地下シェルターにちゃんと潜り込んでいる筈だから、死者はいない筈だが、

これは復興が大変だぞ……

なるべくこの場所で戦うか?


「ッ!?」


二撃目。

今度は地面に並行なパンチ。


「血液加速ッ!」


咄嗟の判断で避けるが、また家々が破壊される。

既に相手は拳をチャージしている。埒が明かない!


「クモ!」


血管に血をつける。

クモで固めるのは不可能。

となれば血をつけて技の「硬直」で固め……


ドゴオオオオオオオオオッ!


同様の地面に並行なパンチ。


避けるも、クモは掻き消される。


この作戦は無理か。


バキッ!


剣を構える。


「まぁ、まだまだ方法はあるがな!」


加速。


パンチが来るが、ギリギリで避ける。




「ッ!?嘘だろオイッ!」


途端、地団駄を踏む。

凄まじい衝撃が起こる。


「アガッ!」


それは空気まで振動させる。



完全に動きが止められたッ!

やばいッ!


目の前に迫る不可避の攻撃……



「人形ッ!」


それを間一髪で避ける。


すぐさま、完全に油断している奴の懐へ入り込んだ。


「今しかねぇ」


手汗が出つつもがっしりと剣を持つ。


この技は、追放される時の戦闘。

あの侯爵を討伐して奪い取った最強の技ッッ!


「空間斬ッ!」








ズバッ


刹那。

静かに体が半分に切り裂かれる。


ズバッ


二撃。


ズバッ


三撃。


「死ね」



ズバッ!



そして核へと剣が届いた。

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