第28話 テイル、出撃 その七
ワイバーンがすぐに動かせる状態になったことで、テイルはすぐに次の行動を始めていく。
「よし、こちらは終了ですね。ワイバーン、方法は問いません。ダン先生との通信回線を開いてください。向こうの状況を確認します」
「了解しました。通信回線一覧確認、ならびに接続可能な通信回線の選択を開始します……確認完了、所持されているタブレット端末と接続、そこから通信回線を開きます」
「ええ、任せます」
「回線接続中……接続完了しました」
こうしてワイバーンがダン先生との通信回線を開こうとしていった。
そして十秒程でダン先生との通信が始まり、テイルによるダン先生の状況確認が始まる。
「あ、ダン先生ですか? こちらは無事にワイバーンを起動できました。そちらの状況はどうでしょうか?」
「なんとか、動かす事に成功しましたよ……苦戦しましたけどね……」
「そうですか。それではすぐに出撃するようにしていきましょう」
「了解しました、姫様」
「はい。ですのでダン先生、それから近くにいるはずのトーブル隊長、二人には管制官役をお願いしますね?」
ダン先生の状況確認を終わらせたテイルが続けてそのように指示を出していく。
するとこの指示を聞いたダン先生が弱音を吐いていった。
「……姫様はまたしてもキツい事を言われる……」
「……明確にできないと言わなかったという事は、やっていただけると判断してよろしいですね?」
「……はあ……よろしいです……」
弱音を吐いたダン先生ではあったが、はっきりとできない、とは言わなかったためにそこをテイルに突かれてしまう。
その結果テイルに重ねてお願いをされてしまったダン先生は溜め息を吐き、いろいろな事を諦めて半分棒読みで返事をしてくる。
その返事を聞いたテイルが、改めてダン先生とトーブル隊長に指示を出す。
「溜め息を吐かないでくださいよ……」
「……申し訳ありません……」
「……ふぅ、やれやれ……それではダン先生、トーブル隊長、カタパルトの操作と管制官役をお願いします。私もすぐにワイバーンをカタパルトに接続させますから」
「わかりました。すぐに始めます」
テイルから受けた指示に、今度は棒読みでなく普通に答えたダン先生が、カタパルトの操作を始める。
そして操作し始めたところである事を思い付いたダン先生は、テイルに尋ねていった。
「……姫様、少しよろしいですか?」
「あまりよろしくはないんですけど……なんですか?」
「……姫様が出撃される際に、ここの迎撃システムを使って敵部隊の目眩ましをしてみようかと思ったのですが、やりますか?」
「……ふむ?」
ダン先生の提案を聞いたテイルは、一言呟くと実行するかどうかを考えていく。
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