第24話 テイル、出撃 その三
テイルがワイバーンを優しく撫でていると、ダン先生が声を掛けてきた。
「これが、そうですか……」
「ええ、そうです、ダン先生」
「……ワイバーン。姫様の専用マシンアーマノイド……」
「はい。正確には型式番号 MAG02MAN25ー1Xtype ワイバーン、です」
「な、なるほど」
「そ、そうですか」
自身の説明にダン先生とトーブル隊長が狼狽えるなか、テイルが天井に目を向ける。
「……攻撃が止む気配が全然ありませんねぇ……まあまだ魔導シールドは余裕があるみたいですが……」
「……魔導シールドは、どれだけ耐えられるものなのでしょうか……?」
天井を見ながら呟いたテイルに、ダン先生が不安そうに尋ねていく。
これにテイルは少しだけ考えながら答えていった。
「……そうですねぇ……今のままの攻撃なら、あと一日ぐらいは耐えられるのではないですかね?」
「一日? 一日も耐えられるのですか?」
「……あくまでも、今のままの攻撃なら、という前提ですけどね」
「そ、そうですか……」
テイルの返答を聞いたダン先生が、安心出来たかどうか、判断の難しい表情で頷いていく。
そんなダン先生の表情を見ながら、今度はトーブル隊長がテイルに話し掛けてくる。
「……あの、テイル……様、バンカーバスターはあとどれだけの弾数があるのでしょうか……」
「……それを私に聞かれても困るのですが……」
「……申し訳ございません……」
「……ただまあ、これだけドカドカ撃てるという事は、収納魔法を使っていくらでもバンカーバスターを補充出来る、という事なのかもしれません」
「そ、そんな!? それでは、我々が生きてここから脱出するのは不可能なのでは……!?」
テイルの予想を聞いたトーブル隊長が絶望しながらその場にへたり込む。
そんなトーブル隊長となんとも言えない表情をしているダン先生にテイルが、そうならないように努力するから二人も頑張ってほしい、と声を掛けていく。
「今のままなら間違い無くそうなります。ですがダン先生にトーブル隊長、私はそうならないように全力を尽くします!」
「ひ、姫様……」
「……テイル、様……」
「ですから、お二人にも努力してもらおうと思っています」
「……え? 姫様?」
「……努力する? 我々が?」
「はい。では今から具体的に指示を出していきますね?」
「え? あっ、ちょ、ちょっと、姫様!?」
「努力する? 我々も?」
「ええ。お二人にはワイバーンの発進までをサポートしてもらいたい。よろしくお願いします」
テイルはこう言うとニッコリと微笑んでいった。
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