キャラクターのビジュアル化恐怖症の私のこと

たくひあい

第1話 文章だけで、映像の無い世界の安心感



 元々視覚情報が残りやすい体質だった私は

アニメなど絵が勝手に(ここでの勝手には視聴者にとっての勝手にだ)動くのが怖いという気持ちがあり、普段文字だけを見るようにしていた。

祖母が写真を撮られると魂が吸われると言ってカメラを畏れていたのを思い出す。

それと少し似ていると思う。

点や線の集合体が、此方の承認や理解、認識の無いまま一方的に動いて喋っているのが怖くて、それを人間、と認識しなければならない風潮が苦手だった。




しかしそうはいっても。今やカルチャーの一部を担う産業である。

生活で避けては通れない。

友人との会話にも度々出て来るしトレンドにも上がっている。


この輪に入れないのはつまらないと思った。

そこで自ら創作をする、その中で緩和するよう心がけて行こうという事に。

自分の作品内容を絶対任意のタイミング以外で、他の創作にしたりイラストにしないために小説を選んだ。

文章がメインである事で、自分が見てもいいと思ったシーンだけがイラストになり、他の人や作品には影響しないという安心感は絶大だった。






それが崩れた時、 目の前に居たのはある作家だった。

アニメという恐怖が目の前に現れる。

「感謝してもいいと思うよ」

という言葉と共に。


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