第14話 予想外の帰還

樹の祖父母の家に泊まってから一週間後、灯真と紫桜、そして正孝の5人は元の世界へ戻る前に朝食を食べて片付け荷物をまとめてから樹は軽く挨拶をして、正孝は信貞と軽くからかいあい、南は料理のメモを受け取り、灯真と紫桜はお世話になりましたと言い元の世界へ繋がる境界の扉へ向かった


裏路地にたどり着いたときに、大勢の人がいてよく見ると目つきが以上に悪く何か嫌な予感がすると灯真は直感的に鍵を取り出した


「灯真、こいつら・・・半グレのようだな。」


「うん・・・でもこんなにいるのはおかしいよ、待ち伏せされてるみたいな。」


「店長と南はじいちゃんの後ろにいて、俺と紫桜でなんとかする!」


半グレどもは一斉に飛びかかり紫桜は水の刃でで足を狙い靱帯にダメージを与え、動きを鈍らせる事に成功したがそれでも取りこぼしがあり、灯真は光の魔法でとりあえず鍵をバットの形に変えて殴りつけた


数十分後に半グレどもは動けない状態になり、樹は急いで扉を開けて灯真達も飛び込んだ閉じた後に鍵をかけて誰も入れないようにして、一息ついた一行は1階へ登りそこである惨状を目撃した


家の隅から隅まで荒らされていたのだ、幸い貯金と喫茶店の売り上げは取られていないのは不幸中の幸いで、所々泥と、血の固まった後がある


「いったい誰がこんなことをしたんだ・・・」


「樹の坊主、これは・・・呪いをかけられているようだな。」


「呪い、そんな僕には怨みを買う理由は無いのに、どうして・・・」


「いや、これはさっきの半グレどもがやったことだ血の固まった後も悪霊を呼び込む呪術の一つだ。 半グレとはいえやることはテロリストと変わらないな。」


各々様々な考えが巡る中、灯真のノルンミラーから着信音が鳴ったコヨミからの連絡のようだ


「・・・はい、灯真です。」


「悪いな家に帰ったばかりだろうに、緊急の招集だ、こっちで待っている。 それじゃあな。」


「コヨミはなんて言ったのじゃ?」


「待っているって。 それと緊急の招集だって。」


「・・・行って。 灯真、紫桜、もう一度あちらへ行って来て、ここは僕らで大丈夫だからね。」


「樹・・・・・・大丈夫?」


樹はかなり震えていて南が支えていかないとまともに立てない状態で、しばらく樹の療養につかなければいけないため、正孝はコヨミの店へ行くように言った


灯真は紫桜を連れてもう一度あちらへ行って行くことを決めた、そして境界を越えてあの路地裏へ向かい、振り返らず夜の星へたどり着き、ヒガンが応対し奥の家で待っていると言った


奥の家に上がりそこで待っていたコヨミと、ヒオウと、知らない顔の二人が茶を飲んでいた


「コヨミ、その二人は誰だ。 魔力量的に貴族クラスだろう?」


そうだと答えた金髪の青年は、ノエルと名乗り灯真に握手を求めた、灯真は握手交わすとノエルの記憶の一部を視たような気がした、見知らぬ土地で祈りを捧げるノエルと同じ金髪の女性がいた


「・・・、・・・と、灯真!」


「あっ、お、俺・・・あの、貴方は聖女なんですか?」


「・・・ああ、私はかつて聖女と呼ばれていたよ。でもそれは昔の話だからね。 本題は現代の聖人のトラブルを解決するために君たちに協力を扇ぎたいんだ。」


「やっと本題に入ったな、第二皇太子殿下様?」


「こ、コヨミ殿ノエルと呼ぶようにあれほど釘を刺したのに・・・はぁぁぁ・・・」


「第二皇太子殿下って・・・・・・皇族か。」


「こ、皇族!?ノエルさんが!?」


「ああ、すまないが皇太子殿下は今の私には相応しく無いから、ノエルと呼んでくれないかな?灯真君?」


灯真はかなり驚いたが、名を呼ばれあ、はいと落ち着きノエルが事の顛末とこれからの話をした


ノエルは昨日魔族界で紫桜が聴いた話の内容と照らし合わせると、悪徳貴族に対抗する非正規組織のリーダーであることと、深夜に同胞は殺されている事と、現場を見つけ追悼の意を込め祈りを捧げ、コヨミに今回の依頼をするためにコンビニでおにぎり十個とカップ麺三個、お菓子を十四個手土産に今朝訪れて来たと言ったところだ


ノエルは更に本題を広げ、神奈川の横浜で世界樹の聖人を助けて欲しいと言った、横浜にある境界の扉に世界樹への入り口があり、世界樹の浄化と聖人のトラブルを解決するために灯真と紫桜を頼ってきたのだ


なぜ自分なのかと聞いたら、ノエルは契約を交わしたあの日監視カメラに映っていた灯真の幻鬼を倒した姿が映っており、それを見たノエルは灯真の力を見込んで協力関係になりたいと言った


「そ、そんな事がって監視カメラあったんだ・・・恥ずかしい・・・」


「あそこは監視カメラが多いからね、君の詠唱もとても良いと思ったよ。」


「う、恥ずかしいくて縮こまりそう・・・」


「あはは、あ、ポテチ食べる?」


コヨミはポテトチップスの袋を持って灯真に聞き、いただきますと灯真は小声で言いボリボリと食べ出した


紫桜はいつ神奈川へ向かうのかと聞き、予定では二日後に向かうとノエルは答えた、現地では仕事で行くため観光目的ではなく、現地の仲間と合流し世界樹の聖人と対面することになると言った


「ノエルの話をまとめると、横浜で世界樹の聖人のトラブルを解決するために動くこと、俺と灯真の仕事は世界樹の浄化になりそうだな。」


「ところで、さっきからお付きの人が喋って無いんだが?」


「わ、私にも今回の仕事をどうこなせばいいのかわからず・・・正直に言えばあの世界樹に赴くことは皇族でもなく腕っぷしが取り柄の私に務まるのか・・・はぁぁぁ・・・」


「まあ、直虎なら大丈夫だろう、私のわがままに付き合ってくれたのはありがたいことだ。 それに、直虎の父上にも感謝をしているのだ、頼りにしているぞ。」


「殿下・・・わかりましたよ。 悪徳貴族の行いは貴族社会にも悪影響を及ぼす物ですから、どこへでも付き合いますよ。 この直虎は貴方の盾なのですから。」


なぜか二人の世界になっているような気がするが、コヨミと灯真達はスルーすることにした


二日後に向かう横浜に向けて準備があるため、ノエルと直虎は先に拠点に帰り、灯真達はしばらくコヨミの家で過ごすことにした


夕飯の買い出しに紫桜がサクヤと向かい、ヒガンが数日分の下着の替えを買いに行き華音と灯真は家の掃除を手伝った


部屋は空き部屋を一つ使わせて貰えるとの事で、ヒガンが二人分の布団を持って敷いてサクヤと灯真は夕飯を作り、六人は夕飯を食べて、風呂に入り持ってきた歯磨きのセットを取り出し、歯を磨いてから風呂に入り、灯真と紫桜は部屋でくつろいでいると華音が部屋着の姿でこちらに来た


「えと、灯真、紫桜、一緒に寝てもいい?落ち着かなくて。」


「華音・・・うん、いいよおいで。」


華音はその一言で安心して、電気を消して三人は眠ることにした


華音が寝る前に紫桜が灯真を潰すなよと釘を刺して、華音は気をつけるよと言いちらっと紫桜は灯真と華音の布団を見たがお互い抱きついて寝ているため、紫桜は少しうらやましいと思ったーーー


「殿下からの連絡があったのね。」


「うん、僕の置かれている状態をよくするためにって。」


「あーしが言うのもあれだけど、拓馬、ここから逃げるには世界樹の浄化と精霊を祓う必要があるってわかる?」


「うん、わかってるよ。 でも・・・僕は世界樹の聖人なんだから、最後まで足掻いてみたいんだ、お母さんの怪我がよくなっても、僕が受けた傷は癒えないから、ね。」


「そう・・・なら、あーしはあーしのやり方であんたと戦ってやるよ、あの悪徳貴族と腐った大人どもをぶっ飛ばすために。」

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