第2話【ゴブリン】
誕生日会と相談も終わり、ベッドに入りながらステータスを調整した翌日。
朝1で探索者協会に向かう。
探索者協会は新規登録等の手続き系は朝からやっていないが、ダンジョンへ入場申請等は自動化されており24時間可能だ。
端末に探索者証明証を提示して入ダンしたいダンジョンを検索したら一発だ。
まぁ、特殊なダンジョンの場合は端末で申請できないので受付を待たないといけないけどね。
そんなわけで、朝は潜るダンジョンの申請をする人が結構いて列をなしていたりする。
俺も列に並んでステータスを確認する。
昨日母さんが儀式でレベルを下げた結果俺にはSLP55、STP1100も手に入った。
これを使って錬金術スキルや錬金術に必要な知力や功力を上げた。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
〇名前:
〇年齢:15
〇総合レベル:1
〇必要経験値:100
〇現在ジョブ:【戦士Lv3】
〇過去ジョブ:
〇ステータス
・体力:156(+144)
・魔力:400(+100)
・筋力:151(+349)
・知力:50(+157)
・功力:50(+350)
・SLP:0(±55)
・STP:0(±1100)
〇固有スキル
【豊穣の儀式】
〇職業スキル
【戦士の心得Lv3】
〇武術スキル
【剣術Lv4】【体術Lv1】【疾走Lv1】【加速Lv1】
〇魔法スキル
【身体強化Lv4】
〇生産スキル
【錬金術Lv10】【上級錬金術Lv1】【調合Lv10】【調薬Lv9】
〇補助スキル
【魔力操作Lv2】【気配察知Lv4】【回避Lv1】【隠密Lv1】【怪力Lv1】【疾駆Lv1】【屈強Lv1】
〇耐性スキル
【苦痛耐性Lv1】
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
錬金術は1レベルで3SLPも消費するので上げるのが苦労するなと思っていたが、ここにきて大量SLPゲットにより思ったよりも早く最大レベルまで上げる事ができた。
最低でもレベル7まではあげたかったからな。
というのも調べたところ、錬金術はレベル7で連続生成というのができるようになり材料から一気に材料分のアイテムを生成できるのだ。
これがあるだけで大量生産可能!
まぁ、生成個分魔力を消費するので乱発はできないらしいけど…。
納期締め切り前の錬金術師はMP回復ポーションという魔力を回復できる物で頑張るらしい。
ちなみにMP回復とある通りHP回復、怪我を治すポーションもある。
ポーションは下級、中級、上級、最上級の4段階あり、下級ならかすり傷や打ち身程度が一瞬で、中級なら多少の怪我なら割と治り、上級なら骨折や大きな怪我も一発とか。
最上級は国が管理している数本レベルしかないのでどれくらいの効果かは予想でしかないが死んでなければ何とかなるといわれるらしい。
ちなみに最上級を作れる錬金術師自体はいるらしい。
というのも上級錬金術レベル5で作れる事から最上級より上があると言われているが、最上級ポーションを作るための素材がそもそも集まらない事の方がほとんどだそうだ。
最上級以上のポーションがあったとしてもそのポーションを作るためのスキルも材料もないのだとか。
ちなみに錬金術師はそもそも数が少ない為ポーションは結構なお値段する。
下級HP回復ポーションだと1本1万円、材料は今日これから取りに行くゴブリンレベルの魔石と薬草、スライムの粘液に水だけ。
コスパがえぐい。
中級HP回復ポーションは1本50万するが、素材も希少なものを使うので値段もわかるんだけどね。
おっ、そんな事を考えながら待ってたら順番が来た。
さっさと、目的のダンジョンを選択する。
行くのは高山トンネルダンジョン。
高速のトンネル脇にできたダンジョンで、深度2でボスもゴブリン・リーダーしか出てこない非常に渋いダンジョンだ。
ただ、探索者協会指名で強制的に定期的な狩りを命じられるほどゴブリンが沸くダンジョンでもある。
まぁ、そんなダンジョンなので、指名されない限り行く人はいないしゴブリン狩り放題だ。
「お? なんだ坊主。高山ダンジョン行くのか? あんなゴブリンダンジョンに行くなんてなぁ。しかも、お前ソロか? ガキはちゃんとパーティー組んで行くんだな」
「ご心配ありがとうございます。向こうで仲間が待っているので」
横で端末を操作していた大柄の男が、いきなり声をかけてくる。
ここで下手に逆らっても面倒だから適当に話を合わせる。
「へぇ、そうなのか? ふーん。まぁ、じゃあ気をつけろよ」
「はい。ありがとうございます」
うーん、いきなりなんだったんだ?
心配されただけって感じじゃなさそうだったな。
端末をのぞき込んで狩場を見るなんてマナー違反だって事くらい知ってそうだし、ソロかどうか態々聞くなんて…。
まぁ、そんなことよりダンジョンだな。
とりあえず、いったん転職したいからレベル10を目標にレベル上げに励まないと!
高山トンネルにはバスで向かう。
というか、車しか向かう手段がないので免許や車を持っていない俺は必然的にバスかタクシーになる。
貧乏性の俺は断然バスだ。
そして、30分ほどバスで移動して高山ダンジョンに到着した。
高山ダンジョンは高速の脇という事もあり車の通りこそ多いが、人は少ない。
そんな場所に受付所があり、今回は結構わかめのお兄さんが受付所の机に向かって何かを書いている。
「これ入ダン許可証です」
「ん? あぁ、入ダンね。はいよ」
この人はおそらく現役の探索者だな。
ゴブリンダンジョンはスライムダンジョンなんかと違いダンジョンブレイクの可能性が高く、外に出た時の繁殖速度、進化速度から危険度が高い。
だから、現役の探索者にバイト感覚で警備と受付を任せているのだろう。
現役の探索者でも
通常の勉学と一緒に探索者として命のやり取りを学ぶのは難しい。
探索で稼げれば良いが稼ごうと思うと命を懸ける必要があり、命を懸ける必要があると装備や消耗品等お金を惜しんでいられない。
しかし、学生がそんなお金ある訳もなく。
こうやって安全な探索者しか出来ないような高時給のバイトで稼ぐというのが多くなる。
ステータスが上がれば様々な場所で活躍できるが、パーティーで行動する事が多い大半の探索者はどこかのステータスに偏りがあるからな。
「ほら、気を付けろよ?」
「ありがとうございます」
気遣ってくれたお兄さんにお礼を言ってダンジョンに入る。
高山トンネルダンジョンはトンネルの脇に出来たダンジョンで基本的にまっすぐな構造が多く、障害物にゴブリンが隠れて奇襲してくるような事が多い。
この障害物はゴブリン達が作った物で粗末な物が多く、丸見えな場合もあるが、稀に分かりづらい物もあり、常に変化する為しっかりと注意して進まないと危険だったりする。
まぁ、気配察知スキル持ちがいると余裕になるんだけどね。
俺の気配察知のレベルは4、直径40mの範囲の生物の位置や敵性かどうかがわかる。
同レベルの隠密持ちだと分からないが、ゴブリンなら変異種でもない限り問題ないだろう。
早速、障害物が見えてきた。
木と大き目の鉄板でくみ上げた障害物だ。
その背後に2匹のゴブリンが隠れている。
相手は俺の存在に気づいていないのだろう。
まだ敵性じゃない。
これはこちらが奇襲するチャンスだろう。
隠密スキルを使用し、ゴブリン達の反対側に張り付く。
鉄板と木材の合間を縫って剣を突き刺す。
「ギャッ!?」
倒す事は出来なかったがこちらの奇襲は成功した。
ゴブリン1匹の足を貫いた。
すぐに剣を引き抜き、障害物を蹴る。
粗末な障害物はそれだけで倒れ、ゴブリン達を押しつぶす。
足を怪我したゴブリンは逃げる間もなく潰されたが、もう1匹は逃げ出したようだ。
ゴブリンは薄暗い緑色の肌に、鷲のような鼻、体長130㎝程なのに手が長く、薄汚い腰蓑を付けている。
武器は手製の棍棒のような物だが、当たり所が悪ければ危険だろう。
「ギャギャ!?」
何か喚いているが、反撃の隙を与える訳にはいかない。
すぐに突っ込んで、ゴブリンを切りつける。
咄嗟に反撃しようとゴブリンが棍棒を振り回すが、レベルアップ前の俺でさえ避けれそうな速度の攻撃は今の俺には止まって見える。
胸を下から切り上げ、回転するように棍棒を回避して首を刎ねる。
そして、潰されて動けなくなっているゴブリンにも止めを刺し最初の戦闘が終了した。
余りにも早い戦闘だ。
いや、戦闘と言えるかも怪しいな。
まぁ、1対1なら子供と同レベルと呼ばれるゴブリンならこの程度か。
ゴブリンの危険性は繁殖能力と進化能力だ。
上位種はどんどん強くなるらしいからな。
奥に行けば、スライムのような作業になる事はないだろう。
まぁ、深度の浅いこのダンジョンだとそこまで強いゴブリンは居ないだろうけどな。
そして、10分程かけて奥へと進んできた。
ゴブリンは数自体は多かったが、戦闘は数秒から数十秒程度で終わり苦戦する事もなかった。
時間が掛かったと言えばゴブリンの素材である魔石の採取くらいか?
心臓の横にある魔石を取るには掻っ捌かないといけないので中々面倒だ。
それも回数を重ねるごとに慣れて早くなるからそこまでだけどな。
ゴブリンの素材は後は武器だが、ここは深度が浅くゴブリンの武器も大半が手製の棍棒。
良くても錆びてボロボロな武器くらいだ。
錆びた武器は潰して金属にするくらいしか価値はないが、数があればそこそこの値にはなるが、荷物持ちも居ないし大き目のリュックなどもないので持ち運びが出来ない俺にとっては嵩張る武器はあまりうれしくないな。
武器持ちは経験値が多いので、出てきて欲しいような欲しくないような…。
ゴブリンの経験時は1匹あたり10~15くらいで、武器持ちは10~30くらいはある。
既にレベルは2に上がるくらい倒したが、武器持ちは2匹しか出ていないので確率はそんなに高くないが、武器持ちがもっといれば経験値の効率は最高だろうな。
まぁ、収入は微妙なラインだけど…
とりあえず、レベル5を目標にするか…。
え?
レベル10が目標だったんじゃないのかって?
それはそうなんだが、この効率だと錬金術でレベルを10まで上げる方が良いと思ったんだ。
このダンジョンではレベル5くらいが精々だろう。
レベル5までに必要な経験値は約2000、それに対してレベル10まで上げるには約2万経験値が必要になる。
ゴブリン1匹辺り10として、レベル5なら200匹、レベル10なら2000匹だ。
どう考えても、レベル10は無理だろう。
さて、この奥がボスだな。
ダンジョンはコアを破壊しない限り消えない。
ボスを倒してもコアを破壊しなければ問題ないのだ。
ボスというだけあり経験値も多いだろうゴブリン・リーダーは俺にとってちょうど良い経験値という訳だ。
特にゴブリン・リーダーの能力は俺にとって最高だ。
ボス部屋はちょっと豪華な両開きの扉で封鎖されており、押して開く。
中には何故か灯篭のような明かりがあり、部屋に入る事でそれが灯る。
部屋の中心にゴブリン・リーダーがヤンキー座りして待っていた。
武器は俺と同じような鉄剣だろう。
油断は出来ないな。
「ギャ!」
剣を掲げて何かを叫ぶゴブリン・リーダー。
これが俺が求めていた物だ。
ゴブリン・リーダーの周囲4か所に赤い魔法陣が浮かび、そこからゴブリンが出てくる。
そう、ゴブリン・リーダーはゴブリンを呼び出す能力を持つ。
もちろん、無制限ではなく有限ではあるが、それでも散らばっているゴブリンを探し回るよりはこいつに召喚してもらった方が効率が良いという訳だ。
「ギャギャギャ!」
剣を振り回し、何らかの指示を出したのだろう。
召喚されたゴブリン達が突っ込んでくる。
しかし、ステータス差がある俺からすれば余裕。
一番正面に居たゴブリンの顔面を蹴り飛ばし、後ろのゴブリンに当てる。
そして、右後ろに居たゴブリンの喉を突き刺し、そのまま回転するように首を切り裂き、左後ろに居たゴブリンを切り裂く。
左後ろに居たゴブリンは何とかガードして腕を切っただけに留まったが、回転が終わった直後に地面を蹴って近づき、ゴブリンの棍棒を掴み背負い投げの要領で重なって倒れているゴブリン達の上へと投げ落とす。
そのまま、3匹を串刺しにして、4匹のゴブリンを一瞬で処理した。
「ギャ…」
召喚したゴブリン達が時間稼ぎにもならなかった事に驚いたのか唖然として様子のゴブリン・リーダーを見る。
ゴブリン・リーダーはまだ殺さない。
まだ使えるからな。
「…ギャ!」
そして、再度ゴブリン・リーダーが剣を掲げゴブリンを召喚する。
それからゴブリン・リーダーが魔力切れになるまで6回程繰り返してゴブリン・リーダーも始末した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます