第2話 キンモクセイのシャーベットとかぐや姫

□キンモクセイのシャーベットとかぐや姫


🌙✨




十五夜の夜、森の花もぐらの家にトトとお母さんがいました。

「今日は特別なお菓子を作るのよ」

お母さんはキンモクセイの花びらをそっと手に取りました。


「トト、手伝ってくれる?」

トトは小さな手で花びらを水に浮かべ、砂糖と混ぜ合わせました。

弱火で煮ると、森いっぱいに甘く澄んだ香りが広がります。


そのとき、月の光の中からかぐや姫がふわりと降りてきました。

「まあ、いい香り…これは月の香りに負けませんね」

姫は微笑み、レモンをひとしずく加えるのを手伝ってくれました。


シャーベットを器に注ぎ、冷凍庫で固める間、

トトはすすきの揺れる窓辺で、森の仲間たちと香りを楽しむ夢を見ました。


出来上がったシャーベットは、月の光にきらめく黄金色。

ひと口食べると、甘くやさしいキンモクセイの香りがふわり広がりました。








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