黄色い線
曖惰 真実
プロローグ
『黄色い線の内側までお下がりください』
広大な青、入道雲、蝉の声、強い陽射し、遠くの山、生温い風、汗ばんだ服、白い肌、瘦せ細った身体、半分しか開かない目、はっきりとしない頭……ぐるぐるする頭。壮大な自然に包まれた回送通過待ちのホームで日陰に引き寄せられる。明るい場所は似合わない。
少し時間がある。散々聞いているアナウンスが今日は少し響く。人生における黄色い線はどこであったのだろうか。霞む脳で記憶に踏み入る。一歩ずつ。踏みしめて。
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