ユビキタス移動学園
化野生姜
1Day
「不死とネズミと感染症」
(…まあまあ)
今日も
今日はちょっぴり早起きで。
外は、とっても過ごしやすいお天気。
うおおん。
うぐあああ。
天井にはたくさんのゾンビたち。
『外で病気が
校内から流れる
『
(…あらあら、まあまあ)
思わず
今日は
*
ショッピングモールの屋上。
踏み抜かれた
動く
――【ゾンビ】。
今や現実のものとなっていた。
(…生きている人はいないの?)
病気が
早朝の家から飛び出したのも一週間前。
高校の
ボロボロとなった制服で。
泣きじゃくりながら彼女は走る。
(
ギャ、キャキャキャ…!
(!)
現れたのは一台のジープ。
若い男性が乗っており。
菜乃花の前で
「大丈夫か。乗り込め!」
(生きた…人?)
一週間ぶりの
思い切って、男性の手を取る。
「お願いします!」
乗り込んだジープは
ゾンビを
「良かった。
「お、お名前…は?」
一週間ぶりの会話。
うまく言葉が
男性は「リンネ」と短く答えた。
「キミを学園に
「学園?学園って…
(学園名の高校なんて、この辺りにあったっけ?)
いぶかしく思っていると。
「学長からの
「キミは
「…あの。
「見えてくるぞ、つかまれ!」と、リンネ。
「もうすぐ
「ポイント?屋上の
ガクンと来る
「お、落ち――!!」
ついで、建物の下から何かが生えた。
(…!)
巨大なガラス
外側を
ガラスのような円形のドーム。
そこにはびっしりとゾンビが張り付き――
「あの中に入る」
「
パニックになる菜乃花。
そこに『大丈夫よ』とかかる声。
『空間のスキマを
見ると肩には。
ヘッドフォンを付けた。
一匹のジャンガリアンハムスター。
『ゾンビは…まあ、
「は、ハムちゃん!?」
『私はララット。それより問題は、運転手の彼よ』
ジャンガリアンは。
そう言って運転席を見る。
「あ、まズイ、ナァ…」
気づけば。
リンネの顔が見るまに
『あーあ、
『整った顔が
「嘘でしょおおおお!」
ギャ、キャキャキャ…!
不幸中のさいわい。
ゾンビを
ジープはバリアを
…そう。ある一人を
「やだ、ヤダヤダ!」
座席の上で
そんな運転席からは。
リンネであったゾンビが立ち上がり…
『ングァ…!?』
瞬間、巨大な
「
声には、どうにも聞き覚え。
「え。リンネ…さん?」
思わず声を上げる菜乃花。
そこに「先生がいいかな?」と。
防護服はヘルメットを取って顔を出す。
そこにあるのは。
網の
「これからキミの
「担…任?」
『ここ、ユビキタス
いつの間にやら。
菜乃花からリンネの肩に移ったハムスター。
『ちなみに私は。
そう言って、リンネの肩に。
小さな
『彼女の
「…抗体?」
「そう、キミは強い抗体を持っている」
瓜二つのゾンビがいる網へとリンネは近づく。
「あらゆる世界の病を治せるほどに」
ハムスターが注射をすると。
ゾンビは元の人の姿へと戻る。
「すごい才能だよ。ボクの【
「【不死】?」
『リンネはね。亡くなると別の肉体が
ララットの言葉。
同時に網の中で
人のいなくなったところから。
リンネが何かを
「これがボクの
手にあったのは赤い
「家に伝わる
『時間と空間の
「ああ。十個まで、だけど」
『…これで、
ため息をつくララットに。
「
「逆に、そっちが感染しなくてよかったよ」
『
『
(ヤバい、頭に話が入ってこない…)
逃げなくて良いという
これまでの疲れか。
菜乃花のまぶたが降りてくる。
(でも、
ジープの
がっくりと頭を落ちていく。
そんな菜乃花が最後に見た光景。
それは校舎の二階から。
自分を見下ろす、一人の女性。
菜乃花を優しく見つめる。
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