第8話 秘密会議
人類生活圏辺境
連邦歴221年3月末日(地球歴2408年3月末)
タイラン人とファーストコンタクトより約2か月後
母星地球よりケンタウルス座の方向に約4.2光年 のプロキシマ・ケンタウリ星系、
惑星エーリュシオン(旧プロキシマ・ケンタウリb)首都・オデュッセイア市
惑星管理司令塔内・初の地球起源近縁種会議開催7日前
惑星エーリュシオンは地球連邦にとって、太陽系外初の植民地惑星であり、今と
なって、最古の植民地惑星だった。
人口は母星地球に次ぐ5番目の密度であり、現在は38億人が住んでいた。
最初にこの惑星にたどり着いたのは地球の旧ヨーロッパ連邦の開拓移民船だったため、当時の艦長の生まれ国境の神話を因んで、名前が付けられ、困難の多い旅だったために、首都はかの有名な古代ギリシアの長編叙事詩の名前になった。
ヨーロッパ連邦の末えい、主にバルカン半島とシチリア島は人口の大半を占めていた。
知的生物はいなかったもの比較的豊富な固有生物が存在しており、初期の開拓者たちはできるだけ生態系を壊さない配慮をしていたため、テラフォーミングされた惑星や衛星と違い、独自に発展した特徴的な食文化を誇っていた。
一週間後開催予定の初会議で議長を務める予定の連邦大統領、アラーラ・コンスタントプールーは臨時執務室で内閣陣営とともに非公式な会議していた。
「コンスタントプールー大統領閣下、連邦艦隊のタラソフ大将がお見えです」
インターコムで大統領の個人秘書のエレーナ・モーガンが報告した。
「一人ですか?」
「はい、一人です」
「通していいわ」
「承知いたしました」
「私たちはいた方がいいのでしょうか?」
部屋にいた数名の内閣メンバーを代表し、連邦副大統領のオーデル・マンデラは質問した。
「いなきゃ困るわ・・・別に秘密の話をするわけではないと思う」
「はい、分かりました」
数秒後、艦隊大将が部屋に入った。
「大統領閣下、突然の訪問、申し訳ございません」
「いいえ、何かあったのか?」
「あのシュームエルは本当に防御力アップできる様々なテクノロジーを無償で提供したのですよ・・・何か裏があると思うのはおかしいなことでしょうか?」
「当然の疑問だわ・・・正体を偽り、あなたのところのナカハタに見抜かれて、とんでもないことを発表したし・・・疑いたくなるわ」
「あの男はガルシア艦長を大変気に入っており、大佐に昇進せざるを得ない上、シュームエルの護衛役に任命するはめになりました」
「ガルシア艦長には彼を監視できると思うのか?」
「有能な男です・・・でも念には念、マチダ少佐以外、もう一人公安部の人間をクールに潜ませました」
「妥当な判断だわ」
「小型のアシモフ級軽巡洋艦だと見栄えも悪いので、ガルシアには新技術が使用可能の急ピッチで製造中の新型戦艦、アレキサンダー・マグナス号の艦長に任命した」
「それ以外の船はどうなのか?」
「ナカハタ指示の元で現在、火星軌道上で新型のチンギス・カン号、ハンニバル・バルカ号、スキピオ・アフリカヌス号、ナポレオン・ボナパルト号、アーサー・ウェルズリー号、ホレーショ・ネルソン号、ノブナガ・オダ号は急ピッチで建造中です・・おそらく1か月以内で出航は可能と思われます」
「新型で初の宇宙空母はどうですか?」
「はい・・・レオニダス号も同時期に出航可能です」
「新技術の信頼性試験は?」
「シミュレーション結果では問題ないとのことです」
「油断しないことね・・・一応同盟条約を結んでいるが、あのタイラン人の言葉は忘れてないわ」
「おっしゃる通りです、大統領閣下」
「後一週間で会議は開催するわよ・・・他の種族について何か分かったかね?」
「はい、地球の哺乳類が起源で知性化されているのは全部で30種族ですが、主な5種族は会議に参加する予定です」
「その主な5種族について、私は説明します」
マンデラ副大統領は話した。
「うむ、頼むわ、オーデル・・・」
「先ずは齧歯目を起源とするのアウーロン人・・・疑い深くで臆病な気質な上、圧倒的な人口を誇る・・・2000億人」
「ネズミか?・・・2000億?」
「それでもチャーフェス人に狩られているらしいです・・・以前はその倍いたようです」
「その戦力は?」
「ファースト・コンタクト時の我々と同等の技術水準と思われます・・・防衛艦隊は100隻で小規模・・・タイラン人の保護下にある種族です」
「今回参加する代表は?」
「マリシエン・モース首長です、茶色で身長150㎝のネズミ人間の女性です」
「なるほど、その次は?」
「パルボン人、牛を起源とする種族です、獰猛果敢だが、気が短いのは難点。艦隊は中規模の300隻でタイラン人の同盟者です・・四つの星系の領土を持ち、総人口は500億人」
「うむ」
「技術水準はタイラン人同等です・・以前は20の星系の領土を持っていたが、チャーフェス人に狩られ、食種にされたようで・・・代表は男性のバーン・バルバン議長です」
「なるほどね・・・」
「次はコーナリア人・・・ウサギを起源とする種族です・・・アウーロン人同様、臆病な気質を持ち、基本平和主義です・・・艦隊は300隻で主に移民船で占められている。戦艦は持ってません。母星が滅ぼされ、生き残ったのは150億人のみです」
「平和主義か・・・」
「技術水準は我が連邦発足当初同様です・・・タイラン人の保護下にあり、今回の代表は女性のミリナ・シズマ大統領です」
「乱獲されたのか?」
「はい、アウーロン人以上に狩りつくされたようです・・・アラーラ・・・最後の2種族について、既にしていると思うが、再度説明する」
「そうだわ・・・」
「古代の狼、ダイアウルフを起源とする種族・・・レームス人。狡猾、獰猛果敢、高い攻撃性を持ち、数回に渡りチャーフェス人を撃退している。人口は500億人、惑星レームスを母星とし、10の星系、70光年の領土を持つ。艦隊は中規模の600隻、戦艦も宇宙空母を保持している。」
「うむ・・・」
「タイラン人と不安定な同盟を組んでおり、我々に対して、疑いの目を持っている。参加するのは10氏族の男性族長、レーナン・シェパーン、シェパーン族の長でもある。技術水準はタイラン人同等と思われる」
「手ごわい相手だわ」
「最後の種族ですが、30種族中、一番若い種族・・・サルビャン人・・彼らの起源は・・・ヒト属 のホモ・ネアンデルターレンシスです・・・生い立ちは独特です」
「知らない人いないと思うが、それでもブラッシュアップとして、説明を聞かせて、オーデル」
「はい・・・彼らはコミュニコン人にとある辺境惑星へ放置され、独自に文化及び技術を発展させた。人口こそは一番少ないが、最も強力な艦隊を持っています、技術水準はタイラン人同等か場合によって以上と思われる・・・独裁国家である故、ベルマン王朝の現王、レクサネス13世が参加する」
「滅びた覇権種族のオーバー・テクノロジーを持つ非論理的で野蛮なチャーフェス人と同様、タイラン人を含むこの複数な種族と連合を組むのは難しいように思えるわ」
「会議の警備は万全です、大統領閣下、念のために現役の半ダースの大型戦艦をこの星系に駐屯している」
「ありがとう、ニキータ」
コンスタントプールー大統領は親しみと信頼を込めて、タラソフ大将をファーストネームで呼んだ。
「緊急通信!!!」
臨時執務室の大型モニターに緊急の通信が入った。
「繋げ!!」
コンスタントプールー大統領は命令した。
「大統領閣下、警備中のUSSジョージ・アームストロング・カスター号の艦長、ミゲール・パロマレス大佐です、星系内に大型戦艦が突然ワープしました!!」
「敵対的な戦艦?」
「いいえ、チャーフェス戦艦ではない、武器も充電してないようですが、通信を無視している」
「どこの船だ?」
タラソフ大将は質問した。
「確認中・・・返信が来ました・・・映像通信です・・・大統領閣下に挨拶したいと言っています・・・」
「繋げ!!」
画面に映ったのは人類に近い中年男性ヒューマノイド、タイラン人以上に近い見た目、特徴は大きな顔、突顎で人間より筋肉質で強い外見をしていた。
「サルビャン星系の王、レクサネス13世と申します。タイラン人よりご紹介いただいた我が種族の母星にあたる地球の支配者で親愛なる人類と一足先に会いたくて、我が艦隊旗艦、サルビャナ号に乗船して、参りました」
「地球連邦大統領アラーラ・コンスタントプールーと申します。ご来訪には少し驚いていますが、歓迎致します、陛下」
「地球連邦水準時間二日より早く、突然訪ねて、申し訳ございません・・・どうしても会議の前にあることについてお話しがしたく、参った次第です」
「あることとは?」
「地球起源でありながら、コミュニコン帝国ではなく、ライバル覇権種族に知性化された種族はご存知でしょうか?」
「タイラン人からそんな情報を共有されていませんわ」
「やはり、そうですか」
「そんな種族いるのでしょうか、陛下?」
「はい、古代地球のメガラニアを起源とする、非哺乳類系種族です」
「メガラニアといいます?」
「地球の絶滅種の一つ、爬虫類のオオトカゲ属ですが・・・ハンブリエン
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